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慈愛の心で40年 「五和会」年末恒例の餅配り

慈愛の心で40年 「五和会」年末恒例の餅配り

投稿日時:2018年01月12日(金)

餅づくりを手伝った京都北都信金の職員たち

 昨年末、老舗のボランティアグループ「五和会」(瀧口不三子会長)が、年末恒例の餅配り行事を実施した。同行事の開催は、40回目の節目となったが、会員たちの高齢化が進んでいることで、継続の有無が議論され続けている。そんな中、あたたかい心の触れ合いを求める会員たちの「今」を追った。

 同会は、ボランティアスクールを修了した瀧口会長ら5人が、昭和55年5月5日に設立。以来、長年に渡り独居老人宅への配食ボランティアに取り組んできた。恒例となった年末の餅配り行事は、会設立前の昭和53年に始まった。「年末にモチを買うこともできない人がいる」と瀧口さんが耳にしたことがきっかけだった。戦前生まれの瀧口さんは、丹後で生を受けた。きょうだいは4人で、暮らし向きは厳しかった。小学2年生の時に舞鶴に越してきたが、戦中戦後と食べる事には苦労した。丹後出身の母は着物を多く持っていて、お金に窮すると着物を食糧に変えた。しかしそれでも、瀧口さんは栄養失調になった。それから数十年が経ち、日本は豊かになったが、それでもなお、しっかりと食べられない人がいる。当初は「ボランティア」という言葉が一般的ではなかった時代だったが、ひもじい時代を知る身として、放っておけない思いがあった。多くの協賛を得て会の運営は軌道に乗り、ピーク時には25人の会員で事業にあたった。しかし、会員は年々高齢化し、現在は8人の会員で活動している。餅配りの当日には、京都北都信用金庫の職員11人が手伝いに加わった。餅作りを手伝った野本彩さん(22)は、ふるさとにUターンして1年目。同じく新入職員の板東彩さん(23)は、滋賀県彦根市の出身だ。二人は、「美味しく食べていただけたら嬉しいと思って丁寧に丸めた」と声をそろえた。出来あがった餅は、手づくりの減塩味噌300グラムも加えてパック詰め(上写真)にし、対象になる高齢者宅へ配達された。当初は会員たちが車で届けていたが、25年前から同金庫職員が配達している。瀧口さんは「おもちを届けに行き、困難な暮らしをしている人たちに出会ったからこそ、今日まで続けてこられました。お礼の電話や手紙をいただくことも励みになっています」と笑顔を見せた。同会は西市民プラザで平成23年より、プラザサロン「にこにこ」を開設する活動もしている。毎月第2水曜日にお茶と軽食を用意し、誰でも気軽に立ち寄れる場として、昨年度はスタッフを含めると述べ1102人が参加した。「食べる」ことを通じた交流は姿を変え、進化しているが、活動の基盤となる会員は減少し続けている。40年もの間活動が続いたの葉、社会に必要とされるからこそであるはずた。新たな力が加わり、活動がさらなる進化を遂げる事を期待したい。
活動についての問合せは TEL:0773-75-1302 瀧口さんまで。

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