意欲が燃える夏 ~西高生35人 学習支援ボランティアに汗
投稿日時:2020年08月25日(火)
昨年から導入された働き方改革は、あらゆる職場に様々な課題を突き付けている。過重労働が指摘され続けてきた教育現場では、変化への対応が迫られる中、近い将来に深刻な教員不足に陥ることが危惧されている。そんな中、西舞鶴高の生徒35人が、明倫小での学習支援ボランティアに励んだ。
同校では数年前からこの取り組みを継続しており、今年も35人の生徒が参加の呼びかけに応じた。学習支援の対象になったのは、明倫小の児童12人(4年生、5年生6人ずつ)。支援講座は1日2時間で、10日間に渡って開かれた。35人の西高生は、8月3日から始まる指導に向け、7月28日には事前の教材研究に臨んだ。参加した生徒は、教職を志す人やボランティア活動への興味など、その動機はさまざま。しかし、それぞれの思いは違えども、グループ毎に問題集を前にして生徒らは、国語や算数、理科などの指導方法について激論を交わした。そして迎えた指導の日。最初は互いに緊張感をにじませていた生徒と児童だが、次第に打ち解け、熱心な指導が繰り広げられた。川渕琴葉さん(2年)は、「これまでの学校生活で、目標となる先生方との出会いがあり、教員を志した。今回の指導では、声かけ一つでやる気を引き出せたりして手ごたえを感じた」と充実感をにじませていた。
【双方に実りもたらす充実の夏】
新型コロナウイルス感染症の影響で、極端に短くなった今年の夏休み。参加した西高生はわずかな休みを返上して、学習支援ボランティアに精を出した。明倫小の岡本恵理子教頭(53)は、「今年の夏は特別で、子どもたちにとっても短い夏。そんな中、連絡をせずとも子どもたちみんなが時間通りに集まるのは、楽しいと思っている証拠」と西高生の頑張りをねぎらい、「教員は伴走者。少し先を走って、『ここまで来てこの景色を見てごらん』と言ったり、少し後から背中をさすってやったりする存在。とてもやりがいのある仕事だと感じてもらえたならうれしい」と満足感を漂わせていた。西舞鶴高の進路指導部長を務める堀江嘉明教諭(53)は、「府北部は教師不足が鮮明になっている。この子たちがいずれふるさとに戻って教鞭をとってもらえれば」と期待を寄せていた。教えられる側から教える側に立場を変えた高校生には、短い夏の体験が大きな意味を持ったようだ。伊藤瑞季さん(2年)は、「教員志望ではなかったが、ボランティアに興味があり参加した。実際に体験してみると、教えることの楽しさに気が付いた」と教職への意欲を見せていた。八木尾福太さん(1年)は、「小学生の頃から先生になりたいと思っている。今回は素晴らしい経験が出来た」と目を輝かせた。双方がウィンウィンとなったこの講座。それぞれの意欲に火が付いたことは、その真剣な表情に色濃く表れていた。有意義な夏を経て、若者たちの未来が明るく輝くことを願いたい。
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