悲恋の民話「蛇切岩」伝承で村おこし 市民グループが多門院地区に案内板設置【舞鶴】
投稿日時:2009年04月03日(金)
東地区に伝わる悲恋の民話「蛇切岩」の伝承に取り組む市民グループ「じゃきり岩の会」(世話人、西村敏弘さん)は4月1日、物語の舞台となっている多門院地区に案内板を設置した。地元では、民話に沿ったルート整備やウオーキングなどを催して村おこしに役立てたいとしている。 案内板は、縦1メートル、横1.6メートルで、民話の物語と、舞台となった周辺の略図、じゃきり岩の会のシンボルマークの与保呂出身の由里利信さん作の切り絵を掲示している。また、案内板の横には、しだれ桜を植樹した。 案内板の除幕は、地元住民や同会の会員らが出席して行われた。同会の多門院部会代表の新谷一幸さんが「地域の人たちの交流の場となり、地域活性化につながればうれしい」とあいさつ。西村さんらが、これをスタートに民話を後世に伝えていきたいなどと話した。 同会では、与保呂の蛇切岩神社にも案内板を設置。同5日にNPO法人・舞鶴ドリーム与保呂川を桜の天の川にする会が開催する「さくらウォーキング」に合わせて除幕する。 民話の起源は平安時代といわれ、多門院と与保呂川沿い与保呂、行永、森と舞台が広がっている。物語は多門院の黒部(くろぶ)小町といわれた美しい娘が、青年との恋が結ばれず、池に身を投げて大蛇に変身して、村人たちを困らせる。 村人たちは、モグサで作った牛に火をつけ、大蛇に食べさせ退治する。大蛇は熱さでもがき、蛇切岩に激突して体が3つに切れ、たたりを恐れた村人は、頭を与保呂の日尾池神社、胴を行永のどうたの宮、尻尾を森の大森神社に祀ったと伝えている。
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