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志が街並み変える<br>活気ある拠点づくりに支援の手を<br>空き家を再生し4月にはカフェがオープン

志が街並み変える
活気ある拠点づくりに支援の手を
空き家を再生し4月にはカフェがオープン

投稿日時:2023年03月07日(火)

 極端な人口減少が続く本市において、3月は現実を直視させられる機会でもある。巣立ちの季節には、転入を大幅に上回る転出が避けられない情勢が続いているからだ。市内の高校でも卒業式が執り行われた1日、そんな現状に風穴を開けようと、経営者3人が新たな挑戦に踏み出した。

法人の共同代表を務める(右から)堀口さん、名取さん、西村さん

 「舞鶴の良さを次世代に引き継いでいきたい」という思いを持ち寄り、いずれも40代の経営者3人が挑戦するのは、「空き家の再生による、まちなかの賑わいづくり」。老朽化も進み入居の見込みが少ない物件をリノベーションし、人の集まる場所とする試みだ。
 きっかけとなったのは2年程前に行われた空き家巡り事業への参加。それまでにも数々のまちづくり活動に携わってきた堀口宏之さん(49)らは、その際レトロな雰囲気を醸し出す丹後瓦斯旧本社ビルに魅入られたのだという。人が多く集まる赤れんがパークと商店街をつなぐ中間地点にあるという地の利も興味を引き、「ここに素敵なお店が入れば、街並みが変わるんじゃないかと想像がふくらみました」と名取貴春さん(48)は振り返る。「舞鶴にも若者がデートをしたりする場所を作りたい」と常々感じていたという西村直紘さん(45)も加わり、ぼんやりとしていた夢はいつしか、明確な目標へと姿を変えていった。
 三人には、共感できる一つの思いがあった。それは、子どもの頃に感じた「活気あるまち」が色を失くしていく寂しさだ。第二次ベビーブームに生まれ、団塊ジュニアと呼ばれる世代。「かつて人の熱気にあふれていた商店街を取り戻し、若者たちの未来につなげたい」という思いがエンジンとなり、三人が共同出資した法人「合同会社浜風」は産声を上げた。
【法人名に想いを込めて】
 東舞鶴の浜地区で、地元経営者の親睦会「浜風の会」が立ち上がったのは7年前のこと。月に1回集まって、酒を酌み交わしながら情報交換をする会なのだという。「地元の店で実施する」ルールがある会には11人の会員が在籍。コロナ禍で見送った数回を除いて、ほぼ毎月ずっと店を変えて続いてきた。
 堀口さんは、「そこで強くなったのは私たちの絆だけにとどまらず、この街に対する愛着でした」と振り返り、「街に深く関われば、関わった分だけ愛着が増して、街への誇りにつながると思います。この街で生まれ育つ若者たちにも、私たちのような気持になってもらいたいという思いで、会の名前を法人名とさせていただきました」と力を込めた。
 そんな思いを込めた改装事業が概ね完成した1日、3人はクラウドファンディングでの資金調達に乗り出した。今回の事業に要した経費は約2500万円。一部を補助金で賄う予定だが持ち出しも多く、折からの物価高も影響し資金はカフェが開店予定となっている1階部分の改装費でなくなった。4月30日までよびかけるクラウドファンディングの目標金額は250万円。三人は、「活気ある風景を作り出し、誇りと郷土愛の醸成につなげる。そんな想いに共感いただける方、取り組みに期待していただける方のご支援、ご協力をお願いします」と話している。
 興味のある人は、maizuruhamakaze@gmail.comまで問い合わせを。

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