待ち望んだ春の日
近畿職業能力開発大学校京都校で入学式
55人が夢への一歩
留学生3人は2年越しの晴れ舞台
投稿日時:2022年04月08日(金)
コロナ禍に見舞われて3度目の春。徐々に落ち着きを取り戻しつつある社会では、本来あるべき春の一幕が各地で繰り広げられ始めている。そんな中、当地のモノづくりを支える近畿職業能力開発大学校京都校では、3人の留学生が2年越しとなる入学式を迎えた。
舞鶴グランドホテルで4月2日、同校の令和4年度第42回入学式が開催され、55人の新入生がこれからのキャンパスライフへの期待に胸を膨らませた。
その初々しい若者たちの中には、ウズベキスタン共和国から来日した留学生たちの姿があった。イギタリエフ・シャフゾッドさん(20)▽イシモイロフ・イザティロさん(19)▽トジボエフ・ミルゾラフマットさん(19)の3人だ。流ちょうな日本語を操る3人は、同国東部のリシタン市にある日本語学校「ノリコ学級」で日本語を学んだ。
同校は、建設機械大手「コマツ」のエンジニアだった大崎重勝さんが仕事で同市を訪れた際、いきいきとした子どもたちの姿に感動し、「この地に日本語学校を」と一念発起し設立。校名は妻の名「紀子」にちなんで名付けた。重勝さんは2005年に志半ばで亡くなったが、その遺志を継いだ人々の手によって学校は今日まで運営されており、コロナ禍で運営が難しくなった折には舞鶴市内からも募金活動に協力するなど、草の根の交流が続いている。
市は2019年12月に、リシタン地方と産業技術人材の育成などについての合意覚書を交換。留学生の受け入れは交流の一環として行われることになり、今回の3人の留学生が第1期生となっていた。
【卒業後も舞鶴で】
3人の留学生は、3月24日に同国タシケントを出発。来日後の自主隔離期間を経て、同28日に舞鶴市へ到着した。3月31日には舞鶴市長への表敬訪問を終え、2年越しのハレの日を迎えた。
本来であれば昨春に入学するはずだった3人だが、コロナ禍の影響を受け1年の延期を余儀なくされた。
当地での留学生のサポートを担当する、市みなと振興・国際交流課の坪内善紀さんは、「ようやくスタートラインに立てたという思い。生活面の困りごとなど、しっかりとサポートしていきたい。まずは彼らにパイオニアとして頑張ってもらって、後に続く後輩たちの道を切り拓いていってほしい」と力を込めた。
10歳の時から日本語を学んでいるというイシモイロフさんは、「日本に来ることは小さい頃からの夢で、家族みんながすごく喜んでくれています」と話し、「舞鶴の自然が大好き。私ものどかなところで生まれ育ったが、舞鶴の山は緑が美しく、海もきれい。人々は親切で温かくとても居心地がいい。2年間しっかりと頑張って勉強し、卒業後も舞鶴で働きたいです」と笑顔を見せた。
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