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幻の舞鶴カブ復活へ 新規就農の稲葉悠さん 「育種家増やし、届けたい」 前田さんから株譲り受け種採取【舞鶴】

幻の舞鶴カブ復活へ 新規就農の稲葉悠さん 「育種家増やし、届けたい」 前田さんから株譲り受け種採取【舞鶴】

投稿日時:2015年03月06日(金)

 京の伝統野菜である舞鶴カブ。市内の喜多地区が原産地とされるが、いつのまにか栽培が途絶えたとされる。しかし、株を手に入れ種を採り栽培を始めた人がいる。有機無農薬農業を目指して舞鶴で新規就農した稲葉悠(はるか)さん(32)=上漆原。今年は種子用にさらに多くの株を育てており、地元の種苗店と協力し本格的な復活を目指したいとする。舞鶴カブは円錐形をしており、土から出た部分は赤紫色。耐寒性があり、1~2月に甘味が出る。野生種に近いため風味が強く、味が濃い。喜多から府北部一帯に広がったらしい。京都府農林センター(亀岡市)によると、その来歴や栽培などに関して、詳細は不明とする。最初は栽培地の地名をとって「喜多カブ」と言われていたが、円満寺の荒川種苗が昭和20年代に「舞鶴晩生カブ」と名付け、種子を販売した。同社代表の荒川安幸さん(64)は「昭和40年の中ごろまでは栽培されており、種子の袋詰めを手伝った記憶がある。50年代にはもう販売していなかった」という。地域固有の在来野菜は一般的に形が揃わないなどの特徴を持ち、形が一定で見た目もきれいな野菜が商品として求められるようになると、大手種苗会社がつくる一般的な品種が普及するにつれ、各地の多くの在来種と同様に舞鶴カブも次第に作られなくなり消えていった。そんな中、オランダなどで有機農業を学び、野菜の在来種の保存に取り組む前田知里さんが、舞鶴カブの種を守ってきた人から入手して栽培を手掛けた。食と農をテーマにしたワークショップ「野菜の学校」を宮津市で開き、在来種の大切さを紹介した。姫路市の化学素材メーカーの研究職だった稲葉さんは、2011年に有機農業を学ぼうと、ネットで知った西方寺平の霜尾共造さんの元で指導を受け舞鶴で就農した。2度の台風被害を受けたが、いまはニンニクの栽培を主にする。在来種にも関心を持ち、昨年「野菜の学校」に参加し、前田さんから舞鶴カブ3株を分けてもらい、他の品種と交雑しないように、大川に借りるビニールハウス内の畑に移植して種を採取。同10月中旬に種蒔きをして無農薬、無肥料で育てている。ネーミング権を持つ荒川種苗から後押しも受ける。間引きしたものを食べたところ、皮が柔らかく剥かなくても食べることができた。酢に漬けると薄いピンク色に染まり、きれいな漬物に仕上がった。いま約50株を種用として育てている。中には大きなものもあり、種を選抜して残していく。稲葉さんは「作り方は普通のカブと同じ。シナモンに近い風味がしておもしろい特徴があり、生でもサクサクと食べることができ、煮物にしてもおいしい。協力してくれる育種農家を増やし、まとまった量を生産できる態勢を近いうちに整え、食べたい人の元に届けられるようにしたい」と話していた。

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