平和の輪広げよう 山田さん 被爆体験 西高同級生らが集う【舞鶴】
投稿日時:2015年12月04日(金)
西舞鶴高校の第7回卒業生でつくる同窓会「七鶴会」が11月27日、円満寺の舞鶴グランドホテルで、広島原爆の被爆体験を本にした元日星高校教頭で同級生の山田達磨さん(79)=愛宕中町=の出版を祝う会を開いた。山田さんの被爆体験を知らなかったクラスメートたちは旧交を温め、戦争体験を語り継ごうと話し合った。山田さんは国民学校4年生だった時、広島市内から北へ十数キロの疎開先で黒い雨を浴びて被爆。原爆で行方不明になった父を母親と捜すため爆心地近くを歩き、入市被爆も重ねた。戦後は自らの体験を話すことはほとんどなかったが、広島市の平和記念式典には毎年出席している。しかし、戦後70年が経ち体験者が高齢化しているのを見て、若者に伝えようと「ひろしま 九歳の時の父捜しと被爆体験」のタイトルで本にまとめた。同窓会は1955(昭和30)年の卒業生でつくる。ほぼ2年ごとに同窓会を開いてきた。同級生にはユネスコ世界記憶遺産に登録された抑留資料「白樺日誌」の作者、瀬野修さんを父に持つ須藤尚子さん=大阪市=もいる。同級生のほとんどが山田さんの被爆体験を知らず、本と新聞報道で知った。祝う会には市内はじめ、横須賀、名古屋などから24人が集まった。山田さんは同級生を前に出版の経緯を説明し、「足元で戦争が起きればこんなことになると知ってもらい、平和な日本となるよう若い人たちに伝えていく輪を広げたい。皆さんの協力をお願いします」と述べた。内海均さんは「本を読んで生き地獄を体験されたことが分かった。二度と戦争をおこしてはいけないと強く感じた」と話していた。
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