平和な未来へ ともに歩みを 韓国ハンサリムの市民 浮島丸事件で舞鶴市民と交流【舞鶴】
投稿日時:2012年03月02日(金)
有機農産物の生産・産直や平和運動を進める韓国市民のグループ「ハンサリム」のメンバー15人が、浮島丸事件の犠牲者を追悼する舞鶴市民と交流しようと、2月27日、下佐波賀の殉難の碑に献花し、過去の歴史を乗り越え未来をつくろうと話し合った。 ハンサリムは産直活動、命と平和を大切にした社会改革を行う運動などに取り組み、韓国全土に19の地域支部を組織し、30万世帯の会員を擁する。 日清戦争(1894~95年)の最中、抗日運動を展開した朝鮮の東学農民軍をたどる戦跡ツアーを同グループが企画し、舞鶴から戦争展を主催する実行委員会事務局長の橋本安彦さん、浮島丸殉職者を追悼する会会長の余江勝彦さんが参加した。 戦争直後、青森で過酷な労働を強いられた朝鮮人労働者が乗る船が、釜山に帰国途中に舞鶴湾で爆沈し549人が犠牲となった浮島丸事件を、余江さんがツアーで韓国市民に紹介し、今回の交流が実現した。 東学農民戦争を研究する韓国の大学教員のパク・メンスさん(56)らが来鶴。一行は殉難の碑の前で地面に頭をつけ犠牲者を悼み、余江さんから「日本人の責任として語り伝えることが、亡くなった人たちとの約束」と説明を受けた。 ハンサリム慶南理事長のユン・シンチョンさん(50)は「舞鶴市民に感謝するとともに、事件で亡くなった人たちの悲しみも胸に、今後も交流を続け平和を築きたい」と話した。ブドウ農家のキム・ソンスンさん(82)は「韓日の過去の不幸な歴史が落ち葉のように降り積もり、栄養分となって未来に花や実をつけてほしい」と語り、「平和」と書いた書を贈った。
写真=殉難の碑の前で爆沈した海を見つめる韓国市民たち
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