市指定文化財新たに4件 旧兵器廠庫や丹後国田辺之図など【舞鶴】
投稿日時:2005年09月02日(金)
舞鶴市指定文化財として、新たに4件の指定がこのほど決まった。舞鶴の近代の歩みを伝える北吸の旧舞鶴鎮守府兵器廠弾薬庫並小銃庫1棟(所有者・舞鶴市)のほか、城下町田辺を知る際の代表的な資料として市民にも親しまれている丹後国田辺之図一鋪(ほ)(同・杉本隆司氏)などが選ばれた。市教委から4件について、諮問を受けた市文化財保護委員会(堀澤眞澄会長)が、指定が適当との答申をし、定例教育委員会で指定を議決した。今回は国指定を目指している赤煉瓦倉庫について先行指定し、田辺城下町に伝わる文化財の保護に重点を置いたのが特徴となっている。これで総計80件の指定となった。同弾薬庫並小銃庫は1902年(明治35年)建築の煉瓦造り2階建て。イギリス積みという方式で、アーチ型の窓には上げ下げ式のガラス式がはめられている。戦後は民間の倉庫として使われていたが、建築当時の設計図なども保存されている。丹後国田辺之図は中央に城下町、周囲に寺社や道路などを描き、地名や伝承記事などが書き込まれている。1727年(享保12年)に模写された写本であり、藩主・牧野氏の初期の田辺の様子が分かる。喜多御山神社絵馬群十二面(同・喜多区)は、1639年(寛永16年)から昭和時代にかけて製作された。繋ぎ馬や騎馬武者などが描かれ、庶民信仰の変遷をうかがわせる。朝代神社祭礼絵巻3巻(同・百田治男氏)は、田辺藩士の林五峰が描いたものと伝えられる。祭礼の様子が彩色して克明に描かれている。
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