市指定文化財、新たに10件 「平野屋区有文書」「多禰寺大般若経」など【舞鶴】
投稿日時:2006年03月24日(金)
舞鶴市教委は3月23日、3月定例教育委員会を開き、10件の文化財を新たに市指定文化財に指定した。市民が大学と連携して調査研究した「平野屋区有文書」、地元に伝わる文化財を地域の人たちの手で調査し修復した「多禰寺大般若経」「河辺八幡神社大般若経」などが含まれたのが、今回の特徴となった。市文化財保護委員会(山内恙児会長)の答申を受け、指定を決めた。今回の指定で市指定文化財の総件数は90件。新たな10件の内、建造物は安岡13仏笠塔婆(安岡区)、彫刻は木造金剛力士立像(松尾寺)、古文書は平野屋区有文書(平野屋自治会)、典籍は多禰寺大般若経(多禰寺)と河辺八幡神社大般若経(同神社)、歴史資料は河辺八幡神社棟札群16枚(同神社)と明倫小学校関係資料(舞鶴市)、黒漆塗縦矧(たてはぎ)5枚胴具足(同)、考古資料は浦入遺跡出土の丸木舟(同)、庭園は松尾寺庭園(同寺)。この内、仏教最大の教典である多禰寺の大般若経は、地元の郷土史家、真下克己さんが約600巻を8年がかりで調査し、前後編の報告書を1997年と2002年に刊行した。多くが平安から鎌倉時代に書き写されて、いくつかは丹波地方の複数の寺院を経て多禰寺にもたらされたことを明らかにした。また、大浦地区の村々から寄進・修復され、五穀豊穣などを祈願する民俗行事の中で伝えられ、信仰の厚さも知ることができた。さらに昨年12月から今年にかけ、地元の大浦歴史研究会のメンバーたちが、傷みの目立つ大般若経を修復するなどし、後世に伝えようと取り組んだ。
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