岡田上小の学校便り「ほっとホット」 子ら大人が忘れてしまった大切なことを伝える【舞鶴】
投稿日時:2009年03月17日(火)
地頭の岡田上小学校が毎月作成する学校便りに、全校児童28人の子供たちの様子を書いた小さなコーナー「ほっとホット」がある。大事に育てたアイガモとの別れ、けがをした祖父の快方を願うなどの気持ちと情景が生き生きと綴られ、子供の素直な表現や観察力、好奇心一杯の便りを地域の人たちも楽しみに待つ。大人が忘れてしまった大切なことを、子供たちが教えてくれている。 2007年に岡田上小に着任した宮本雅子校長が、由良川をはさんだ山間の地域のよさと素朴な子供たちを伝えようと、その年の五月から執筆を始めた。登校時の校門や休み時間、教室、校長室の窓から見た子供たちの姿と交わした会話などをメモに取る。 取り上げる題材は様々。身近なものを遊びに変える感性、じゃんけんに夢中になる純真さ、落ち葉を「電気がついとるみたい」という表現力、動物の糞から「サルが3人ぐらいでうんこしたんやなー」「なかよしなんや」と次々と膨らむ想像力を描写する。 学校での米作りのため5、6年生がアイガモ2羽を雛から育てたが、役目を終えて舞鶴幼稚園に引き取られる日、一旦下校した6年生が自転車に乗って急いで学校へ戻り、最後に2羽を抱っこして別れを惜しんだ。 職員玄関に座っている子供に声を掛けると、「ほら、これ」とピカピカの上靴を指さし、照れながらもうれしそうに教室に戻る子。また、いつもと違って足先をピンと伸ばすように歩くその足に可愛い靴を見つけたり、前に差し出して歩く腕に新しい傘がかかっている姿など、1人1人を見つめてきた。 保護者だけでなく地域の団体、民生児童委員らに135部を作って配布。地元の人から感想を書いた手紙が寄せられ、家族の話題に上ったりする。宮本校長は「子供たちの中に懐かしさを感じ、こちらを温かくさせてくれています。心のつながりや豊かな感性を大切にして成長してほしい」と話す。卒業式の3月23日、6年生3人に最後の学校便りを送る。
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