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少年のアジサイが繋いだ絆 城南中から医療センター附属看護学校へ車いす アルミ缶回収で想い届ける【舞鶴】

少年のアジサイが繋いだ絆 城南中から医療センター附属看護学校へ車いす アルミ缶回収で想い届ける【舞鶴】

投稿日時:2013年06月25日(火)

附属看護学校へ車いす
アルミ缶回収で想い届ける
少年のアジサイが繋いだ絆

京田の城南中学校(櫻井秀之校長、生徒601人)で6月18日、約1年かけて集められたアルミ缶3万6000個で購入した車いす1台が、行永の舞鶴医療センター附属看護学校に寄贈された。両校にはアジサイにまつわる交流の歴史があり、同中は同センターとの絆をより深めるため、車いすを贈ることにした。
 1988年に、急性骨髄性白血病で同センターに入院していた少年が、同中への入学の夢を叶えられずに亡くなった。少年は、小児科病棟で治療を受ける中、挿し木で増えるアジサイを植えてほしいと看護師長に提案し、アジサイを病室の窓から見守り続け育てていた。
 その後、当時の看護師長が同中で講演したのを機に、城南中の門をくぐりたかった少年の夢を叶えたいという思いから、アジサイの挿し木が同中の正門横に植えられ、今では大きく育ち記念碑も立てられている。2010年には、当時の城南中校長がアジサイの里帰りをと株分けし、今では同センターの看護学校校舎前でも花を咲かせ、看護と命の大切さを伝える象徴となっている。
 同中では、このアジサイをきっかけに、思いやりの心をもとうと、伊佐津川の河川敷の美化活動などのボランティアを「紫陽花(あじさい)プロジェクト」と名付けて取り組んでいる。その一環として昨年4月から、アルミ缶で車いすを購入するため、生徒や地域住民らが毎週1回持ち寄り、1年かけて目標の3万6000個を達成し、リサイクル業者で現金化して児童用の車いす1台を購入した。
 贈呈式には全校生徒が参加し、生徒会長で3年の依田響(いだひびき)さんが、「人の手から人の手へと受け継がれたアジサイは、毎年この時期になると私たちに命の尊さを語りかけてくれます。これからも後輩に伝え、発展していけるように頑張ります」とあいさつを述べ、看護学校長で同センターの法里高(ほうりたかし)院長らに車いすを贈った。
 法里院長は「大切に使わせていただきます」とお礼を述べ、依田生徒会長に感謝状を贈った。

写真左=依田生徒会長(左)から車いすを贈られる医療センターの法里院長(中央)ら
写真中=城南中正門横のアジサイと記念碑
写真右=看護学校校舎前のアジサイ

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