小倉・阿良須神社本殿と拝殿の修復完了 2004年の台風23号、倒れた大木で被害【舞鶴】
投稿日時:2006年10月10日(火)
2004年の台風23号で、倒れた大木によって被害を受けた小倉の阿良須神社本殿と拝殿の修復工事が完了し、10月7日、現地で地元関係者が集まり竣工式があった。90年ぶりに御屋根洗いの儀が行われた後、地元の小中学生女子による神子舞が奉納された。地元の人たちは新しくなった地域のお宮さんを守っていこうと思いを新たにした。 同神社の由緒は、崇神天皇の時代(前97~同30)、丹波道主王が青葉山の凶賊である土ぐも陸耳御笠の討伐にあたって、豊受大神を神奈備の浅香の森に祀ったのが始まりとする。本殿は文政12年(1829)に再建された。鹿原や吉坂など5地区が輪番で秋の祭礼を行うほか、来年の稲の豊凶を占うおまつ神事が開かれる。 04年10月20日の台風23号では、拝殿わきの樅の大木(高さ約40メートル、直径約1メートル)が根元から倒れ、本殿と拝殿を直撃し、本殿屋根西側が崩れ拝殿東側回廊が全壊した。 氏子総代で修復委員会(新谷仁委員長)、専門部会として学識経験者で修理委員会(委員長・益田兼房立命館大学教授)を組織し、修復計画を検討。坂根工務店が昨年7月から工事を担当し、本殿を解体し破損した部材の修理、新しい部材に古めかしさを出す彩色処理をするなど元通りに復元した。府と市の補助を受け、総事業費は4100万円。 御屋根洗いの儀は明和2年(1765)、屋根葺き替えの完成を祝って行われたのが最初で、以後10年ごとに営まれていたが、大正6年を最後に途絶えた。今回は氏子総代4人がササを持って屋根を洗う所作をした。続く遷座式では社務所からご神体を本殿に移し、上田中地区に伝承される神子舞を奉納。志楽小4年の井本亜土さんが舞姫、白糸中3年の矢谷文乃さんらが謡姫を演じた。 最後に、修復副委員長の森田重信さんが「これからも私たちのお宮さんとして守っていきたい」と、新谷委員長のお礼のメッセージを代読した。森本太郎夫宮司(72)は「地元の願いがかないひと安心です。10年後も御屋根洗いの儀を行えれば」と話していた。10月29日には吉坂区の担当で祭礼が営まれる。
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