富岡町の職員 菅野さんが報告 住民帰還 先行き見えず 立命館大森教授 「廃炉を新たな公共事業に」【舞鶴】
投稿日時:2013年05月31日(金)
地域から考える原発への依存と防災集会が5月26日、舞鶴市余部下の中総合会館であり、福島第1原発事故で全町民が避難している富岡町の町職員、菅野利行さん(55)が住民の帰還が進まない厳しい現状を報告した。
第1原発から20キロ圏内にある富岡町は、郡山市内に臨時の町役場を置いている。町民約1万6000人の内、3分の2がいわき市など県内に、3分の1が県外に避難を続ける。
復興計画では、住民の帰還時期を平成29年度以降とし、除染などに5年以上が必要とするが、除染後の仮置き場が決まっていないため除染は進んでいない。一方、放射性廃棄物の中間貯蔵施設の話が住民を置き去りにして進んでいると指摘。
帰還困難区域や東電の賠償も、道路をはさんで区域が異なり賠償も差がつき、住民が分断されているという。「原発事故では防災計画はまったく役に立たず、国と県も機能しなかった。山積みの課題の解決が1つでも欠けると町民の帰還は難しい」と述べた。
原発が立地し電源交付金に依存する、おおい町の財政について調査する立命館大学の森裕之教授が中間報告した。交付金で建設した公共施設のための維持管理経費が肥大化している現状をデータで示し、廃炉事業を脱原発を目指した新たな公共事業として提案した。今秋に提言をまとめる予定。
写真=厳しい現状を語る菅野さん
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