宮津出身・髙山邊さん
府北部初の囲碁プロ棋士に
舞鶴の囲碁クラブで力つける
投稿日時:2021年09月14日(火)
毎年、数人程度のみが試験に合格し、誕生する囲碁のプロ棋士。その狭き門を、宮津市出身の髙山邊楓実(たかやまべふみ)さん(22)が通過し、京都府北部出身者として初めてのプロ棋士が誕生した。
幼少の頃より当地で腕を磨いた俊英の快挙に、市内の棋界が活気づいている。
府職員の父のもと、4姉妹の末っ子として生を受けた髙山邊さん。両親ともに囲碁を趣味とする家庭で、姉たちの影響もあり幼少のころから囲碁に親しんだ。
小3からは、市内伊佐津にある西まいづる囲碁クラブ(新妻四郎代表)に通い、棋力を高めた。髙山邊さんは同クラブに中3まで通って、プロ棋士の養成機関である院生への合格につなげた。
22歳でのプロ合格は、比較的遅咲きの部類に入るという。髙山邊さんは、地道な努力を積み重ね、6月1日付けで、関西棋院のプロ棋士採用試験に合格した。
西まいづる囲碁クラブを主宰する新妻さん(88)は、4姉妹で囲碁に取り組んできた髙山邊さんを「まじめで素直だった」と振り返り、「快挙を成し遂げてくれて自分のことのようにうれしい」と声を弾ませた。
新妻さんは「全国各地で天才の誉れ高い少年少女たちが、一心に目指す囲碁や将棋のプロテスト。その狭き門がいかに難関かは、知る人ぞ知るものです。世に難関として知られる司法試験の合格者は年間に約1500人。公認会計士試験の合格者は約1000人です。それに対して、将棋のプロ合格者は年に約5人。囲碁は約10人程度です」と偉業をたたえ、「楓実さん、合格おめでとう。これからは厳しい道ですが、みんな力の限り応援しています。また後に続く子らも育っていますよ」とエールを送った。
ストレス解消法は「あたたかいお茶を飲むこと」と言う髙山邊さんは、「囲碁をもっと身近なものにしたい」と今後の活動に意欲を見せている。
遅咲きのプロ棋士を輩出した同クラブでは、会員60人ほどが努力を重ねている。
髙山邊さんの今後の活躍が、後に続く人たちの標になるよう祈りたい。
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