安心・安全の体現へ~舞鶴方式・ワクチン接種が順調にすすむ
投稿日時:2021年06月01日(火)
いまだ先の見通せない新型コロナの感染拡大により、3度目の緊急事態宣言の再延長が決まった。コロナ収束の一手として期待が高まるワクチン接種が始まり、これに関する報道が連日流れている。その中で、本市の「舞鶴方式」と呼ばれる接種方法がクローズアップされ、注目を集めた。だが、着目すべき点は他にもある。接種が始まって以来、本紙へ寄せられた市民らの声とともに紹介する。
国の定める接種順位により進むワクチン接種。医療従事者から始まり、高齢者(65歳以上)→基礎疾患のある人(高齢者以外)・高齢者施設等の従事者・60歳~64歳の人→それ以外、となっている。ワクチンの確保は国が行い、接種体制の確保や実施計画の策定は、地域の実情により異なるため、各自治体に委ねられている。接種手続きに関して厚生労働省はホームページ上の案内で、“市町村から接種券と接種のお知らせが届いたら、医療機関や接種会場を探し、電話やインターネットで予約をするよう”記している。実際、接種券と案内を送付し、各自での予約を促す自治体は多い。まず本市では、「安全で円滑」なワクチン接種を目指し、ワクチン接種推進本部を設置。まだ接種券が届かない3月には、対象者に向けて集団接種の事前申込書など2万6600通を送付した。接種希望者は、同封のハガキに必要事項を記入し返信。記入する項目の中には接種会場までの移動手段を問うものもあり、交通手段が無い人には無料でバスやタクシーを手配し送迎するという厚待遇が準備された。一方、接種日時については自治体コード順に従って調整するため個別に選択することは出来ない。しかし、なるべく外出などの負担を軽減するため、夫婦は同日になるよう配慮される。こうして受け付けた結果、提出期限には、当初見込んでいた約60%の1万3600人を大きく上回る1万7167人の希望者があった。そのあと4月中頃には接種券の発送を終え、同27日から接種日時の案内文書を接種日の2週間前までに発送。そして5月17日には、65歳以上の高齢者を対象とした集団接種が始まった。全国的にみても予約方法は、ホームページなどからのインターネット申込、電話申し込みがほとんどだ。中にはラインなどのアプリを活用した予約体制の自治体もある。
しかし「65歳以上」の区分における年齢幅は広く、80代90代も対象になる。高齢になればなるほどインターネットを使いこなすことは容易ではない。その結果、電話申込に集中することで回線はパンク状態。受付窓口には人が押し寄せ現場は混乱。「何度かけても電話がつながらない」そんな高齢者の悲痛な叫びを捉えた報道が散見された。本紙へも、今回の接種に関して様々な声が届いている。「免許を返納して交通手段がなかった。全額自己負担の地域もあるのに、送迎までしてもらえてありがたい」と82歳女性▼「予約が取れないと連絡してきた遠方の友人が、『舞鶴いいな』と羨んでいた。舞鶴に住んでいて良かったと嬉しくなった」と68歳男性▼「予約がとれず混乱している様子をテレビで見る度に不安だった。日時の案内が届いたときにはホッとした」と79歳女性▼「若い人の感覚でインターネットと言われてもついていけない。ハガキでの返信は分かりやすくて本当に助かった」と78歳男性▼「つまずくことが多いので移動は苦手だが、座ったまま受けられて安心だった」と76歳女性。全ては紹介しきれないが多くの喜びや安堵の声が寄せられた。こうした声とともに全国の接種状況などを鑑みると、「舞鶴方式」と呼ばれた今回のワクチン接種は、独自性を発揮し高齢者に寄り添い、本市が掲げる「誰もが安全安心で暮らせる地域づくり」を体現しているといえるのではないだろうか。
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