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安心して暮らせる地域へスクラム 高齢者、子育てらの支援、見守り 多彩な活動 住民笑顔に 森民協 厚生労働大臣表彰【舞鶴】

安心して暮らせる地域へスクラム 高齢者、子育てらの支援、見守り 多彩な活動 住民笑顔に 森民協 厚生労働大臣表彰【舞鶴】

投稿日時:2015年12月11日(金)

高齢者の交流の場のサロンであいさつする委員たち

 共に支え合う地域福祉の増進に務めている舞鶴市森民生児童委員協議会(村尾幸作会長、委員16人)が、今年度の厚生労働大臣表彰の民生委員優良活動団体を受賞した。少子高齢化や地域のつながりが希薄化する中、子育て世代や高齢者の支援や見守り活動、関係機関との連携など地域に根ざした多彩な取り組みを精力的に続け、住民から信頼を寄せられている。(青木信明)JR東舞鶴駅の南側の森地区を担当エリアとする。旧村と新興住宅地が混在する21町内からなり、人口は5154人(10月1日現在)。高齢者と子育て世帯の二極化が進み、単身者や父子・母子家庭など援護が必要な住民も増えている。森民協は1953年に設立。民生委員児童委員14人、主任児童委員2人。かつては自治会が様々な行事を担っていたが、地域のつながりが弱まるにつれ、民生委員らの役割が高まった。高齢者支援では一人暮らしのお年寄りと仲間づくりのため、84年から料理教室と生き生きモーニングサロンを実施。サロンは隔月開催でお茶とお菓子で会話をする。昨年は5回に計233人の参加者があった。高齢者が外出の機会として楽しみにしている。核家族化で子育てに悩む若い母親たち、公園が少なく遊ぶ場がないなどに対応して子育て支援も力を入れる。母親同士が友達をつくる場になり、12月のもちつきの大会では世代間交流が深まっている。近年はアパートが多く建ち、町内会に入らない住民も増え、入れ替わりも激しいため、住民の交流や地域の状況をつかむことが難しく、260世帯が暮らす団地では70歳以上が120人を超えている。訪問しても室内の様子が分からず、孤独死をしているのが見つかるケースもあった。お年寄りを狙った詐欺まがいのトラブルの相談も受ける。こうした社会の変化に対応し、行永民協などと協力して07年、災害時にお年寄りなど要援護者を支援するため、「緊急・災害時要援護者SOSサポートプロジェクト会議」を作った。さらに日常生活でも見守りや支え合いをできるようにと、南舞鶴福祉協議会が主体となった「あんしんネットワーク」の立ち上げに加わり防災訓練などをする。こうした活動が、市の実施する災害時に備えた個別支援事業の先駆け的な役割を果たした。定例会で委員たちは地域で支援が必要な事例の情報を共有し、きめ細やかな見守りに力を入れる。燃えないごみの日に顔を見せないお年寄りがいないか住民たちが気を配り、連絡を受けた委員が自宅を訪れ倒れているのを見つけ一命をとりとめたケースもあった。少なからぬ負担を伴なう活動だが、事業部長の田中幸男さん(71)は「活動の原点は『ありがとう』『ごくろうさま』の声をもらうこと」、主任児童委員の栢分理代さん(58)は「子育てサロンで母親たちに友達ができたと喜んでもらい、手ごたえを感じています。森民協はとてもチームワークがいい」と話す。村尾会長は「住みなれた地域で安心して暮らしたいという住民の声を受け、みんなで協力して様々な取り組みをしてきたことが、今回の表彰で認められたのかもしれません。事業を発展させもっと住民の輪を広げ、委員や支援者をふやしていきたい」と話している。

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