子供たちの笑顔が財産 大学・短大生サークル 「まいづるグループ」結成50周年 舞鶴学園訪れ交流続ける【舞鶴】
投稿日時:2013年11月22日(金)
泉源寺の児童養護施設「舞鶴学園」(桑原教修園長)で活動する、京都市内の大学生たちでつくるボランティアサークル「まいづるグループ」が、結成から今年で50周年を迎えた。部員数が減り休部の危機を何度も乗り越え、待っていてくれる子供たちの笑顔がかけがえのない財産になっている。元部員や現役部員が11月17日、同園に集まり交流した。
戦後、舞鶴港に引き揚げてきたものの、身寄りのない戦災孤児らを引き取り養育しようと、1941年に設立の財団法人が学園の始まり。2001年に浜から現在地に移り、7つの住宅からなる小舎制を導入。幼児から高校生までの46人が在籍する。多くは虐待や育児放棄などで親から離れて暮らす。
同グループは、桑原さんが同志社大生だった63年に発足した。支援に訪れた学園の貧しさを目の当たりにし、教会に集まる学生たちに声をかけ、次第に複数の大学の学生たちが加わった。20数年前から華頂短期大生が中心となって活動する。
01年に部員が0になり、グループ顧問で当時、同短大准教授の西川由紀子さんが授業で活動の大切さを訴えた。パンフレットで活動を知り、関東などから入学を決めた学生もいた。卒業後、学園の職員や隣接のタンポポハウスで保育士として働く元部員もいる。所属した部員は50年間に300人以上という。
月1~2回、学園に通って子供たちと遊び勉強を手伝うほか、園のクリスマス会で劇を演じる。華頂大と同短大の10人が在籍するが、今春学園を卒園し同短大に進学した女子学生も活動している。
グループの同窓会は20、45周年に開いたが、学園で催すのは初めて。静岡などから40人が駆けつけた。現役部員による手話歌の合唱や、50年間の活動を映像で紹介し、思い出を語り合った。
73年に同短大を卒業した荒木美千代さん(61)=京都市伏見区=は「バスで帰る時に子供たちが見送ってくれたのが、とてもせつなく思った」と振り返った。グループの会則を作った村上繁樹さん(65)=同市東山区=は「最初に学園の門を入ったときは緊張したが、子供たちの柔らかい眼差しにほっとした。部員にとって、ここでの体験は人生の背骨になっている」と話していた。
桑原さんは「子供たちは学生たちを身内としていつも楽しみに待っており、活動は学園に欠かせないものになっている。50年の節目に、グループに憧れ華頂短大に入った子がいるのをきょうの集いで報告できうれしい」と、自らが原点となった活動の歩みを語った。
写真=先輩たちを前に手話歌を披露する現役の部員たち
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