姉妹で目指すは五輪の金
内田菜楓さん(城北中1年)
姉に続きエリートアカデミ―に
春から拠点を東京に 持ち前の負けん気で夢に向かう
投稿日時:2023年02月21日(火)
城北中1年の内田菜楓(さいか)さん(舞鶴レスリングクラブ所属)が、日本オリンピック委員会によりJOCエリートアカデミー16期生の内定を受けた。同クラブからは姉の颯夏(そわか)さんに続く二人目の選出で、姉妹同時に在籍する快挙となる。内田さんは4月から練習拠点を東京に移し、姉と共にトップアスリートへの道を歩むことになる。
同アカデミーは、将来オリンピックをはじめとする国際競技大会で活躍できる選手を恒常的に育成することを目的とし2008年に設立。ジュニア期におけるアスリートの発育・発達に合わせ、トップアスリートとして必要な「競技力」「知的能力」「生活力」の向上を目指している。
対象は中1から高3のジュニア選手で、競技の体力面や技術面向上を目指すだけではなく、競技に対する心構えや態度、海外で活躍できるようにするための語学力の向上など、多岐にわたる教育を受ける。姉の颯夏さんは中2からアカデミーに在籍し、現在は帝京高の一年生。昨年フランスで開催されたU17世界選手権で優勝するなど、名実ともに、「未来の金メダル候補」としての立場を盤石なものにしている。
そんな姉に強く憧れながらも菜楓さんは、持ち前の負けん気で「私も負けられない」と発奮。駒沢オリンピック公園総合体育館で昨年に開催された「令和4年度東京都知事杯 第13回全国中学生選抜レスリング選手権大会」では、女子39キロ級で並みいる上級生の強豪を破って優勝を勝ち取り、大会史上27人目となる1年生での女子チャンピオンとなるなど、華々しい戦歴を誇る。
指導に当たる同クラブの山田来哉代表は、「内田はとにかく気が強く、自分の努力と実力を信じ切っている。本当に頼もしい。舞鶴から離れるのは寂しいが、春からは新たなステージで世界を目指して頑張ってほしい」と期待を寄せた。
【まだ見ぬ金メダル 名伯楽の夢続く】
「舞鶴をレスリングの街に」というスローガンのもと、三村和人さんが立ち上げた舞鶴市レスリング協会も設立から早10年。有望な選手が続々と育ってきている。アテネ五輪銅メダルの井上謙二選手、北京五輪銀メダルの伊調千春選手を育てたレスリング界きっての名伯楽は、「行政が積極的に支援してくれたおかげで今があります。設立当初に市主催のレスリング教室に来た4歳の女の子が10年たって、エリートアカデミー選出です」と感慨を述べ、「アカデミーではオリンピックに出たいではダメ。出るのは前提で、『金メダル』を獲るという気持ちで臨まないとやっていけない。菜楓には格闘技に最も大切な『気持ちの強さ』がある。教え子のメダルでまだ見ていない色を、必ず見せてくれると信じています」と笑顔を見せた。
春から環境が大きく変わる菜楓さんは、「ようやく姉と同じステージに立つことができ、とにかくうれしい。自分より強い相手と練習し、どんどん力を蓄えたい。いつも応援してくれる家族やコーチに感謝し、さらに努力を重ねて大きく飛躍していきたい」と力を込めた。
姉妹がこれから見せてくれるであろう「新しい景色」。しっかりと応援しながら、その時を楽しみに待ちたい。
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