大聖寺・お彼岸に想いを天へ
緑のポストの手紙をお焚き上げ
投稿日時:2022年03月29日(火)
北吸の大聖寺(松尾眞弘住職)で3月21日、「緑のポスト」に届いた亡き人への手紙のお焚き上げが行われた。
ポストは1970年代に、檀家だった北吸郵便局の局長が寄贈。赤色では本物と間違えるとの指摘があり、緑色に塗りかえた。
それ以来、境内の一角に置かれていた緑のポストに転機が訪れたのは15年ほど前のこと。我が子を亡くした母が入れた手紙を見つけたことをきっかけに、松尾住職がSNSなどで投函を呼びかけるようになった。
2019年秋からは彼岸に合わせてお焚き上げを行うようになり、今回が6回目となった。
この日は本堂で祈願供養が行われた後、ポスト前に設置された護摩壇で87通の手紙が一通一通丁寧に焚き上げられ、勢いよく燃え盛る火を前に、供養に訪れた檀信徒ら約30人は一心にお経を唱えていた。
宮津市から供養に訪れた堀久美子さん(46)は8年前に弟を、4年前に母を亡くした。母を亡くしてからは喪失感が大きく、悲しみに暮れる日々を過ごしていたが、「緑のポスト」の存在を知って手紙をしたためるようになったという。
堀さんは「手紙を書くようになって心が安らぐようになった。これからも書き続けていきたい」と話した。
松尾住職は「亡き人との手紙は縦の繋がりを大切にするもので、こうした機会に今を生きる人と人との横の繋がりも生まれます。世知辛い世の中ではありますが、お寺をきっかけにして、こうしたご縁が生まれることは嬉しい」と話していた。
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