多門院地区の老人会、住民ら 地域のいこいの場に整備 集落の中心地で桜の広場づくり 子供たちと一緒に夢膨らます【舞鶴】
投稿日時:2012年11月30日(金)
祖母谷川をさかのぼった谷あいに位置する多門院地区(55世帯)で、歴史的に集落の中心地とされる場所を、地域のいこいの場にする取り組みが進められている。老人会の「長生会」のメンバーたちが協力してつる草などに覆われた空き地を整備し、子供たちに呼びかけ、11月25日、ソメイヨシノ12本を植樹した。住民たちは美しい桜の広場にと夢を膨らませている。 古代のころ、丹後風土記に記載されている天蔵(あまくら)社がこの場所にあり、梯(橋)をのぼって参る高梯郷(たかはしごう)の中心地と合致していると伝えられている。高床式で荘大な規模を誇ったといわれる天蔵神社はその後、近くの山に移転しいまも残っている。 住民たちが公園づくりをする場所は、昔の地名の名残をとどめるハシキ林と呼ばれている。2003年に開通した舞鶴自動車道の舞鶴東インターから小浜間の工事に合わせ、ハシキ林の土が採取された。山を削った後は3段の平地ができあがったが、災害時の避難場所を兼ねた住民たちの集いの場にしようと取り組みを開始した。 一番下の広場はゲートボール場に整備し、昨年にはしだれ桜9本を植えた。今年は真ん中の平地を長生会の会員たちが、重機などを使って草刈りをして広場とし、舞鶴市緑化推進委員会の緑の募金を活用してソメイヨシノの苗木を子供たちと一緒に植えた。来年以降も桜の植樹を続けることにしている。 長生会会長の榎与一さん(77)は「子供たちには植樹を思い出にしてもらい、ふるさとの大切さを考えるきっかけにしてほしい。来年、花を咲かせてくれればお花見をやりたい」と話している。今後も住民たちで手入れを続け、地域の桜の名所づくりに励む。
写真=ソメイヨシノの苗木を植える子供たち
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