夏の終わりに光の華
みずなぎ朝来・花火見上げ夕涼みのひととき
2年越しの初交流「今後も様々な地域貢献を」
投稿日時:2022年08月30日(火)
夏も終わりに近づいた8月27日、朝来中の「グループホームみずなぎ朝来」が“夕涼み花火鑑賞”を企画。コロナ対策をとる中で入所者らは、招いた地域住民らとともに打ちあがる花火を見上げ、開所から初めてとなる地域との交流を楽しんだ。
同所は知的障害者が地域の中で生活する場として、社会福祉法人みずなぎ学園が2020年8月に開設した「高齢・重度障害者対応型グループホーム」。高齢で重度の人を中心に受け入れており、現在は19人が入所している。
開設以来、地域の園児や子どもらによる絵画の展示、地域住民らを施設に招いての交流など、思い描くものはいくつもあった。しかし感染拡大を懸念するコロナ禍において、それら様々な交流は断念せざるを得ない状況が続いていた。
2年越しに実現した地域との初交流となった今回は、チラシを作り掲示板や回覧板での案内、またポスティングなどを通して呼びかけを行った。
日が暮れ始めた開始予定時刻前には、小さな子の手を引いた親子連れや高齢者たちなどが続々と会場へ足を運んだ。「パンパーン」と開始の合図のような花火の音が響くと、「音がしたから急いできた」と笑顔を弾けさせながらやってくる近隣住民の姿も。
また施設入所者たちも「今日は花火だから早くご飯食べないと」「まだかな、まだかな」とこの時を楽しみにしていたといい、関連グループホームの希望者など合わせて約30人の利用者が会場で花火を心待ちにした。
コロナ感染対策として施設利用者と地域住民は横並びではなく、花火会場スペースを囲むように向かい合うことで広い空間を設けた。
主任の森本香織さん(49)は、「これまで見送ってばかりで交流の機会が持てなかったけれど、ようやく何とか開催できたという思いです」と笑顔を見せると「今日はたくさんの方に来ていただけてうれしい。今後も施設として、地域の方に楽しんでもらえるよう、いろんな形で地域貢献をしていければ」と力を込めた。
職員らの手により並べた花火に手際よく火が点けられ、間断なく闇夜に光の花が咲いた。施設を照らすように大小様々な花火か夜空を彩ると、「待っていました」と言わんばかりに歓声があがり、拍手が沸き起こった。
「めっちゃすごい!」と何度も歓喜の声を上げる子どもをはじめ、「わぁ、きれい」と空を見上げ目を輝かせる多くの人たちの笑顔が花火に照らし出されていた。
近くに住む杉村栄造さん(75)は夫婦で訪れたといい「今年初めて見る花火」としながら「やっぱり花火はいいですね。こんな近所で見られるなんて、ありがたいです」と夜空を染める夏のひとときに目を細めた。
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