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城屋の堀田さん<br>行方不明の高齢者発見で舞鶴署が感謝状<br>社会の課題 地域ぐるみで解決を

城屋の堀田さん
行方不明の高齢者発見で舞鶴署が感謝状
社会の課題 地域ぐるみで解決を

投稿日時:2021年09月07日(火)

世界の諸国に先駆け超高齢社会を迎えたわが国では、年々認知症の発症者数も増加。警察庁の発表によると、2020年の行方不明者全体は減少する一方で、認知症が原因の行方不明者の数は、前年比86人増の1万7565人と過去最多を更新した。わが町も例外ではなく、認知症の家族に不安を抱える人が多くいる。
 そうした状況を受け、早期捜索・発見につながるよう舞鶴署や市が連携し、「まいづるメール配信サービス」などで行方不明者情報を知らせている。今回また、こうした連携と地域の目が、一人の命を救うきっかけとなった。

 舞鶴署は8月30日、城屋の農業、堀田実良さん(63)に、行方不明の高齢者発見に尽力したとして感謝状を贈った。
 通常であれば同署で行う贈呈式は、新型コロナウイルス感染防止のため堀田さん宅で行われ、足達功署長代理の梅景俊哉生活安全課長が感謝状を手渡した。
 舞鶴署によると、8月9日午前10時頃、市内在住の男性(88)がJR西舞鶴駅付近で買い物中、行方が分からなくなった。妻からの通報で署員が付近の捜索を開始。また、この日は台風の影響で強い風が吹いていたこともあり、早期発見のため「まいづるメール」で市民の情報提供を呼びかけた。
 ちょうどその頃、台風による強風で、ガタガタと音をたてる戸を閉めようと、自宅の裏にまわったという堀田さん。するとそこには、見知らぬ高齢男性の姿があったという。
 「まいづるメール」を見たあとだったこともあり、提供された情報と同じ特徴がないかなど確認。靴のかかと部分に貼ってあった特徴的な黄色のシールで確信を持ち、すぐに同署へ連絡した。
 堀田さんが声をかけると、男性はすぐに立ち去ろうとしたが引き止め、お茶を飲ませるなどして落ち着かせた。 2年前には87歳の母が、また2ヶ月前には92歳だった父も他界したという堀田さん。「この2年で二人ともいなくなってさみしい気持ちもあり、どこか人ごとに思えなかった」と発見当初の思いを振り返る。
 発見場所となった堀田さん宅は、西舞鶴駅からおよそ3.5㎞。男性はその距離を歩いてきたとみられるが、同日の天候も考えると、発見が遅れた場合には生命にも関わった可能性がある。
 「地域ぐるみで見守ることの大切さを改めて感じた」と話す堀田さんは、「誰もが年を取ります。いつかは、自分も同じようなことになるかもしれない。声をかけて、助かって本当に良かった」と笑顔を見せた。
 
【認知症かな?と思ったら…】
 認知症になっても安心して出かけられる地域づくりを目指す市では、具体的な7つのポイントを次のように紹介している。
 ①まずはさりげなく様子を見守る(じろじろ見るのは禁物)②声をかけるときは一人で(複数で取り囲むと恐怖心をあおりやすい)③相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する(目線を同じ高さにして)④後ろから声をかけず相手の視野に入ってから「何かお困りですか」などの声かけを⑤自然な笑顔で余裕をもって対応する(困惑や焦りは動揺させるもとに)⑥おだやかに、はっきりした滑舌で(地元の方言でコミュニケーションをとることも大切)⑦急かさずに、相手に目線を合わせてやさしい口調で

感謝状を手にする堀田さん
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