地道な活動18年
「やさしい声かけ」実践の坂部さんに表彰状
青少年の非行防止と健全育成
「心折れそうな時も」と振り返る
投稿日時:2021年11月30日(火)
SNSの普及による有害情報の氾濫やいじめ、児童虐待など、子どもたちを取り巻く問題は深刻化かつ多様化している。子どもたちにとって地域社会は、様々な人と触れ合い学び、生活をする身近な場であり、青少年育成の果たす役割は大きい。次代を担う若者たちが健やかに成長を遂げるためには、声をかけ、あたたかく見守る地域の目が、ますます重要となっている。
少年補導功労者表彰の伝達式が11月18日、舞鶴警察署で開かれた。長年にわたり青少年の非行防止と健全育成に大きく貢献したとして、市少年補導委員連絡協議会第2事業部長の坂部宏木さん(60)に表彰状が贈られた。
例年、京都市内で開かれる表彰式だが、コロナ禍の影響で昨年に続き今回も規模を縮小。同署内で関係者らが見守るなか足達功署長から表彰状が手渡された。
少年補導委員として活動をはじめて18年になるという坂部さん。月2回の街頭補導パトロールや青少年への声かけ、非行防止の広報活動など、献身的に取り組んできた。
いつも心がけてきたのは、同協議会の目指す『やさしい声かけ』。だが、こちらの思い虚しく「無視されることも多い」といい「心が折れそうになる時もあった」と振り返る。
決してすぐに見える答が待っているようなものではない。補導委員の活動は、遠くて見えないほどの距離にいる相手と行うキャッチボールのようなもの。届くことを願うほかない場合がほとんどだともいえる。
「この声かけが、誰かの何かの、役に立てば」そんな思いで坂部さんは、タバコを吸ったり夜間出歩く青少年らに声をかけ続けてきた。
また長い活動期間の中で偶然、用水路に自転車で落ちてしまった小学生を発見したことがあった。幸い命に別状なく救出することができたこの日のことを振り返り坂部さんは、「見回りをしていたことで見つけることができた。無事で本当に良かった」と活動の重要性を噛みしめるように話した。
表彰を受けて坂部さんは「何の取り柄もないような男だけど、何かの役には立てるのかなと続けきた声かけ。こうして表彰していただけたことは嬉しい」と笑顔を見せながら「気を引き締めて、これからも引き続き声かけをしていきたい」と思いを新たにした。
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