地運寺で「晋山式」「落慶法要」
投稿日時:2018年05月11日(金)
余部上の曹洞宗寺院である地運寺で4日、住職の正式な就任式「晋山式(しんさんしき)」と本堂の全面改修にともなう落慶法要などが営まれた。檀信徒を始め、関係寺院の僧侶や地域住民などが見守るなか、11世に松本宣雄住職(38)が就いた。
地運寺は慶長6年(1601年)に由良川筋の神崎油江村で開創。5世等宗祖覚大和尚の代に現在の地に仮布教所を設置。その後、信徒から移転を望む声を受け、大正11年に本堂を移転した。本堂の老朽化を受け平成25年に建立委員会を設立。計画に3年、工事に1年半をかけ完成した。晋山行列では、「安下処(あんげしょ)」という檀信徒の代表宅で正装に整えた後、檀家総代や役員、御詠歌を唱える梅花講員を先頭に、松本住職、僧侶らが寺までの数百mを歩いた。沿道では就任を祝おうと、住民たちが見守った。寺に到着すると、法語を唱えて本堂に登った。本堂では檀家信徒や役員、他寺の総代、関係寺院の僧侶など約160人が出席。住職が大和尚の位に就く「結制法要」や、先代住職を供養する「先住忌」、檀信徒の先祖を供養する「檀信徒総回向(そうえこう)」などの法要が執り行われた。檀家総代の藤澤弘さん(84)は「こんな立派な晋山式や落慶法要を執り行うことができ、涙が出るほどうれしい。今後ますますの地運寺の発展を願います」と笑顔を見せた。松本住職は「檀信徒の皆さんを始め、縁ある寺院や法友など、様々な方の協力のおかげで今日という日を迎えることができた。感謝の気持ちでいっぱいです。新しい本堂に多くの方が訪れ、人々の心の拠り所となるよう、一層精進していきたい」と抱負を述べた。松本住職は平成14年に大本山である永平寺で修行し、曹洞宗総合研究センター国際部門に入所。アメリカやヨーロッパなどで研鑽を積んだ。20年に曹洞宗宗務庁職員に任命され、海外での布教活動などに尽力。その後24年に帰国し地運寺の住職に就いた。梅花講の開講や京都曹洞宗青年会会長を務めるなど、宗門の発展に尽力している。
(井上 務)
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