地産地消給食等メニューコンテスト入賞 特養ホーム「グレイスヴィルまいづる」【舞鶴】
投稿日時:2009年12月22日(火)
布敷の特別養護老人ホーム「グレイスヴィルまいづる」(淡路由紀子施設長)が、田園に立地する地の利を活かし、生産者やボランティアの協力で、地元産野菜や米を使った食事をつくる地産地消の取り組みをしている。提供するメニューの中には、舞鶴発祥とされる肉じゃががあり、利用者の健康状態に応じ食べやすいよう調理に工夫を凝らす。この1品が、農林水産省主催の第2回地産地消給食等メニューコンテストで入賞した。2005年開設の同施設は、地域の農業振興に役立つとともに、利用者に安全な食事を食べてもらおうと、地元の池内産の米を100%使用したご飯を提供している。また、隣接する畑(6アール)を借り、職員やボランティアらで約20種の野菜を栽培・収穫し、食材に使っているほか、利用者や近くの池内小学校児童も加わり収穫祭や加工品作りも楽しむ。こうした活動で07年、府の「たんとおあがり京都府産」施設の認定を受けた。利用者にとって人気メニューの肉じゃがは、ジャガイモや玉ネギなど地元産を材料に使用。高齢者の健康状態や要望に対応し、3つの形態の肉じゃがを作った。普通食は専用の厨房機器を使って、調理の省力化と素材の新鮮さを保持できる調理法のクックチルで仕上げる。一方、噛み砕きにくい人には、真空調理法で素材の形を残したまま繊維を柔らかくし、歯茎でも噛めるようにしたソフト食、飲み下しにくい人には下ごしらえの時に材料を1品ずつミキサーにかけペースト状にし、舌の力でつぶせる柔らかさで素材の色や形に固めたムース食を工夫した。高齢者の嚥下食といえは刻んだりして元の献立の姿と異なるものになっていたが、2つの調理法は元の見た目と味わいを損なわないようにできる。昼食の場合、特養ホームの利用者80人、デイサービス25人など125食を準備。お年寄りたちからもおいしいと評判になっている。メニューコンテストでは学校給食・社員食堂部門で近畿農政局長賞を受けた。管理栄養士の南陽子さんは「作りたての野菜のおいしさがわかり始めました。この取り組みを今後も広げていきたい」、淡路施設長は「材料が足りなければ隣の畑で野菜を取ってきています。地産地消の食事づくりは手間がかかりますが、農家やボランティアの皆さん、調理スタッフとの連携と協力があるからこそ実現できました」と話す。
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