地域おこしへミュージカル「安寿と厨子王」 加佐の住民ら上演準備進める【舞鶴】
投稿日時:2004年02月17日(火)
「安寿姫塚」(下東)のある加佐地域の住民らが、「安寿と厨子王」の物語をミュージカルで上演する準備を進めている。全国各地に伝承されているこの物語をミュージカルで発信して、地域おこしにつなげたいという。
ミュージカルの上演にあたって、1月に「安寿と厨子王ミュージカル塾」を開設。塾長には、これまでに数多くのミュージカル作品の制作、作曲、演出を手掛けている岩本唱道さん(64)=奈良県北葛城郡當麻町=が就任した。岩本さんの父親が舞鶴出身だったことから、塾長に白羽の矢が立った。
岩本さんは、ミュージカルの構想を練るため、地元取材から始め、シナリオの執筆と作曲を進めている。これと並行して、公募した出演者らに発声や演技法も指導している。現在、地元の若者4人が主な役柄を演じるソリスト(独唱者)として入塾して特訓を受けている。
岩本さんによると、物語のシナリオは、中世に全国各地を巡り、仏教説話を伝えた法師による説教節「さんせう太夫」をベースに書いているという。また、大きなテーマとして、「人間の煩悩を越えた美しさ、憎悪から許しへの愛を描きたい」と話している。上演時間は約2時間で、日本独特の旋律を交えた10数曲を使うことにしている。
塾生の練習は、丸田の八雲保育園で月2回行われているほか、熟生だけでも練習を続けている。塾生の農業、霜尾共造さん(25)は「ミュージカルを通じて、地域おこしにつながれば」と参加、ほかの塾生とともに練習に励んでいる。
ミュージカル塾では、ソリストと合唱団員を募集している。初演は7月17日の「安寿姫塚」の夜祭で、ミュージカルの安寿をたたえるパートを発表。その後、秋にミュージカルの全音楽の独唱、合唱、朗読を上演、来年春に演技も含めた全編を上演する。
入塾についての問い合わせは、電話82・0719、同塾事務局担当の岩見二三子さん。
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