地元の努力 見事に結実~東神崎 穴観音
投稿日時:2018年10月02日(火)
4月と9月の年2回行われる東神崎の「穴観音大祭」が14日に行われた。今年の参拝者は例年に比べ約5倍に増加。急激な増加に常連参拝者からは驚きの声が上がっている。増加の背景には東神崎区長・岡本郁夫さん(66)と地元住民による駐車場や休憩所の整備、インターネットを活用した情報発信があった。
槙山のふもとに位置する「穴観世音大菩薩」は、巨石に囲まれた天然の洞窟内に祭られている。病のため盲目となった母親の枕元に観音様が現れ、お告げの示す通りに由良川河口に赴くと、地元の者でも知らなかった祠を探し出し、その中に観音様を見つけだしたという伝説が残る。病気や子宝にご利益があると、市内外から参拝者が訪れている。かつては、丹後神崎駅に電車が着くたびに列をなしていたというが、近年は参拝者も減少。高齢化で車での参拝が大半となり、駐車場がなかったため道路脇に一時停車するなど交通アクセスの改善が大きな課題だった。
【地域一丸でかつての賑わいを】
再び参拝客を呼び戻そうと、岡本区長を中心に周辺の整備を開始。今年、2カ所の駐車場が完成し約30台の駐車が可能に。祈祷所の外には10人ほどが座れるケヤキの長椅子を設置。高齢者に配慮し、祈祷所に入らなくても休憩ができるようになった。また、周辺にあったゴミ焼却炉やブロック塀を取り除き、自然な石を設置し見栄えを良くした。回覧板で地元住民へ広報する一方、インターネットで情報を発信。若い世代への周知に繋げた。市内に住む会社員の髙橋正人さん(46)もインターネットの情報を頼りに初めて参拝。「こんな珍しい参拝所が舞鶴にあるのかと驚いた。市外の方も多くようです。皆さんと同じようにゆっくりとお参りできた」と話した。祈祷所内では宗見寺の内海孝司住職と2人の僧侶が祈祷をはじめると、参拝客は観音講の唱える御詠歌とともに祈りを捧げた。観音講の女性は「こんなに多くの方が訪れるのを見たのは初めて。とてもうれしい」と笑顔を見せ忙しくお茶や菓子を配っていた。岡本区長は「今後、マイクロバスでのシャトル運行や、お土産のせんべいを考えている。地域で力を合わせてできる事は全てやっていき、1人でも安心してお参りできるようにしていきたい」と意欲を見せた。
(井上 務)
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