命かけた東学研究熱く語る 韓国の朴教授 国越え心つなぐ希望【舞鶴】
投稿日時:2012年07月13日(金)
東学農民革命の研究の第一人者である韓国・圓光大学の朴孟洙(パク・メンス)教授の講演会(実行委員会主催)がこのほど、舞鶴市南田辺の西総合会館であり、約60人の市民に向け、研究にいたるまでの自らの歩み、1番弱い民衆が犠牲になる戦争の実態、市民との連帯への希望を熱く語った。 日清戦争(1894~95年)の最中、朝鮮(韓国)民衆が朝鮮政府の圧制に蜂起した東学農民革命だが、日本軍によって弾圧され、その後の植民地化へとつながった。市内の橋本安彦さんと余江勝彦さんが、韓国で作成されたマンガ冊子を日本語に翻訳・発行し、講演会を企画した。 1980年の光州事件で、朴さんは韓国陸軍の連絡将校として軍事機密を扱う立場にいた。戒厳令下、市民たちが軍人によって鎮圧されたことは知っていたが、除隊後に虐殺だった光州事件の真実を当事者から知り、加担した軍人だったことから社会変革運動に進み、韓国の近現代史、その中でも農民革命を学ぶことにした。 農民リーダーの頭蓋骨が持ち帰られた北海道大学にも留学して研究。弾圧に関わった軍人の子孫が残していた多数の資料から新しい事実が見つかり、日本軍は朝鮮政府の派兵要請の前に、農民軍の全滅作戦を立案していたことなどを説明した。 朴さんは「来日して研究をする中で、東学の戦いで日本の民衆も犠牲を強いられたことが分かった。戦争は双方の国の1番弱い部分を犠牲にする。国を越えて皆さんと心をつなぐことに大きな希望を感じている」と結んだ。
写真=東学農民革命について話す朴さん
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