卒寿記念 「谷は花筏」出版 京田の上羽さん 90歳で初短歌集 同人「飛聲」に綴った650首掲載【舞鶴】
投稿日時:2014年09月16日(火)
旧舞鶴高等女学校在学中に短歌を始めた、京田の上羽玉枝さん(90)が、卒寿を記念した初めての歌集「谷は花筏(はないかだ)」(現代短歌社刊)を出版した。朝代神社の西村尚宮司が主宰を務める同人「飛聲(ひせい)」で、1995年から2012年の間に詠んだ歌の中から選んだ約650首を掲載。三世代で同居する家族への思いや、自然豊かな自宅周辺の四季の様子などが綴られている。上羽さんは女学校在学中に学んだ小倉百人一首で短歌に興味を持ち、歌を書き溜めるようになった。女学校を卒業した1941年に太平洋戦争が始まり、戦後も子育てに追われて短歌から遠ざかっていたが、子供が小学校に入学してからは育友会活動の一環で短歌同好会に入会するなど、歌を詠むことを続けてきた。80年に「舞鶴歌人会」に入会してから本格的に短歌を始め、95年に西村さんが主宰を務める同人「飛聲」に参加。以来、舞鶴支部の「鶴の会」に毎月1回参加し、短歌の勉強を続けている。(飛聲短歌「鶴の会」は本紙にも掲載中)歌集では、タイトルになっている桜の花びらの花筏が、奥山から自宅横の谷川を流れ下ってくる様子を詠んだ「深山なる晩生桜か花筏の浮かぶ谷水植田に灌ぐ」や、花の水やりのひとときを詠んだ「カサブランカの密吸ふ揚羽と花畑に水やる我と夕ざれの逢ひ」、家族との思い出を詠んだ「三世代揃ひて盆の墓参りその百段にわが遅れつつ」などが収められている。上羽さんは「良い記念になり、家族や今までお世話になった方々に感謝しています。体力が続く限り短歌を詠んでいきたい」と話している。
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