俳句の道に半世紀~福来の岡田さん・句集を出版
投稿日時:2021年04月02日(金)
福来在住の岡田陽子さん(72)が、自身2冊目となる句集「百代[はくたい]」を俳句の名門出版社であるふらんす堂から出版した。句集は、俳句との出会いを導いた母の誕生日である3月27日に発行された。
「百代」には、2002年から2018年までに発表した329句を集めた。「奥の細道(松尾芭蕉)」の冒頭から取ったタイトルには、「世界に誇れる最も短い詩である俳句を、永遠につなげていきたい」という思いを込めたという。また、表紙には市内在住の作家・絹川徳成さんの造形作品「風が聞こえる」をデザイン。同氏が東日本大震災のチャリティ作品展に出品したものを使ったといい、岡田さんは「私を支えていただいた方々の力添えで出版することが出来た」と感謝の言葉を述べた。岡田さんの俳号は「苳 羊右子[ふき ようこ]」。長年住んでいる福来に、冬生まれである自身を重ねた漢字を使った。10代から俳句をはじめ、現在は季刊誌「あくあ」を主宰している。「俳句は絶滅危惧種」という岡田さんは「70代の私が若手の世界。もっとすそ野を広げて次の世代にバトンを渡していかないといけない」と危機感をあらわにしている。
【五感総動員で日々に彩りを】
中舞鶴で生まれた岡田さんは、高校教師だった父の都合により中学3年生の時に舞鶴を離れた。俳句を始めたのは、京都市内の短大に進学したころ。母である瀬野きみ子さん(93)の影響だった。それ以来、次第に俳句の世界にのめりこみ、1990年代に舞鶴へ戻ってきてからは、創作意欲をさらに加速させた。現在テレビ番組で有名になった夏井いつきさんの人気著書「365日季語手帖」への投句が採用されるなど、作品は様々な媒体で評価を受けている。岡田さんは俳句の魅力を「俳句と共に、毎日を心豊かに過ごすことが出来る」と話す。代わり映えしないと感じる日々も、五感を働かせて日常的なことを少し違った角度で見ると、様々な気づきがあるという。コロナの影響で人に会わない時間が多くなった日々でも「退屈に感じることがなかった」という岡田さん。「いつ始めても垣根は低いので、興味を持った方は気軽に始めてみてほしい」と呼びかけている。
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