仲間とコツコツ漢字学ぶ フィリピン出身の倉橋さん 漢検5級合格 時間見つけ書き取り「次は4級に」【舞鶴】
投稿日時:2014年01月28日(火)
フィリピンから来日して25年になる倉橋マリネスさん(48)=行永=が、公益財団法人日本漢字能力検定協会の漢検5級にこのほど合格した。仕事の合間にコツコツと漢字を覚え、10級からここまでストレートで合格。上安のカトリック教会「聖母訪問会天台修道院」での日本語教室に通い、同じ母国の仲間たちと楽しく勉強を続けている。
日本語能力検定試験はマークシート方式なのに対して、漢検は大部分の設問が記述式で、部首名、書き取り、筆順などが出題される。10級が小学1年レベル、最高の1級は大学レベルの漢字能力が問われる。2012年度の年間受験者数は226万人だった。
フィリピンの大学でマーケティングを学んだ倉橋さんは、日本語教室に約20年間通っている。元日星高校日本語教諭で同会シスター(修道女)の原田従子さんがボランティアで指導する。教室は同国から舞鶴に来た人と子供たちを対象に、毎月2回ほど土曜日午後から開かれ、多い日で15~20人が学ぶ。
日本語能力試験の1級を取得した女性もいる。次第に語学力が身につき、ホームヘルパーの講習を受け介護職につき、学校で講師を務める人もいる。
漢検5級は小学6年までに学ぶ漢字1006字が範囲。書き取り、送り仮名、四字熟語、対義語、誤字訂正などが出題される。倉橋さんは200点満点中、167点で合格した。原田さんが作成するドリルで勉強するほか、営む飲食店の仕事のあいまを見つけ、書き取りを欠かさない。
来日当時は人と会っても話せず不安だったが、いまでは日本の新聞も読めるようになった。次々と漢検の級が上がることで自信につながった。「めんどくさがらずに毎日書くことが大切。一生懸命やった成果が出てうれしい。勉強の場があり仲間とも知り合うことができた。次は4級を目指したい」と話している。
原田さんは「マリネスはがんばり屋さんで、ノートにびっしり書き取りをしています。熟語の構成を問う問題は日本人でも難しく、自分で書いて答える検定なので値打ちがあります」と見守っている。
写真=教え合いながら漢字を勉強する倉橋さん(中央)
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