最新の記事

  

代美術作家の上前智祐展でモダンアート並ぶ ギャラリー・サンムーン 【舞鶴のニュース】

代美術作家の上前智祐展でモダンアート並ぶ ギャラリー・サンムーン 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2003年08月29日(金)

展示されている凹凸感のある油絵と上前さん

少年時代を舞鶴で過ごした国際的な現代美術作家の上前智祐(ちゆう)さん(83)=神戸市垂水区=の作品展が、浜のギャラリー・サンムーンで開かれている。上前さんのモダンアートは海外で高く評価される一方、国内の公立美術館でも収蔵されている。今回は新作の油絵と身近な素材から生み出した斬新な色彩とデザインの版画31点を並べ、世界で活躍する美のセンスを紹介した。9月8日まで。入場無料。
 上前さんは丹後半島の大野村出身。幼少のころに舞鶴に移り、12歳から京染洗張り店に務め、18歳で画家を志して舞鶴を離れた。その後、一時舞鶴に戻り1951年に西図書館で初個展を開催。再び神戸に移住して54年に「具体美術協会」の結成に参加した。
 上前さんは緻密な点と線の集合や布の縫いの非具象と抽象的な油絵を発表し、一躍世界で評価を受けた。舞鶴では99年に市政記念館で個展を開いたのに続き、サンムーン代表の佐藤保明さんが、99年と2001年、そして今回と作品の紹介に務めている。
 新作の油絵(縦横65センチ)は木を格子状に組んで凹凸感を出し、その上におが屑とエメラルドグリーンの油絵を塗った。また、版画作品では、網戸の模様を取り入れたり、紙をまるめて墨を塗って広げたものなど、生活の中にある身近な素材を生かした。
 上前さんは「舞鶴は私の画家としての出発点の地。いまも未発表の原画1000点以上があり、今後も制作を続けたい」と話していた。作品は公立美術館などによって買い上げられているため、散逸する恐れがあり、上前さんは思い出の地の舞鶴で作品を一括収蔵してほしいと願っている。上前さんは8月31日、9月8日に在廊。
【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ