最新の記事

  

介護者の心のケアを 福来の大機さん 自宅離れサロンに活用 相談、ライブ演奏でリラックス【舞鶴】

介護者の心のケアを 福来の大機さん 自宅離れサロンに活用 相談、ライブ演奏でリラックス【舞鶴】

投稿日時:2015年11月04日(水)

演奏でリラックスの時間を届ける大機さん(左)と友人ら

 舞鶴在宅介護者の会副会長の大機貴美子さん(58)=福来=が、両親をともに介護してきた体験から介護を担う人たちの心を少しでも軽くできればと、福来の自宅離れを改修してサロンとして活用している。介護者たちを受け入れ相談に応じたり、仲間たちとライブ演奏をしてリラックスできる時間を届けている。(青木信明)認知症の母親を約10年間介護し、その間に父親が脳梗塞で倒れ半身麻痺になり、2人をともに介護した期間は5年になった。大機さんは母の認知症がわかった時に冷静になることができず、周囲にも理解されず自分を追い込み、ストレスから入院したこともあった。母が認知症であることを身近な人たちに話すことで気持ちも楽になり、支援を受けて過ごした。介護者の会に入会して介護者同士で悩みを分かち合い、趣味で続けるキーボード演奏と歌で元気付けたりしてきた。しかし、介護をしている人でも同会に入っていない人や、どんな支援制度があるのか知らない人もいることから、介護者の自宅訪問や喫茶店で話を聞くなどしてきた。認知症患者の支援者を養成する活動にも力を入れている。会員以外の人にも気軽に訪れてもらい、相談できる場をつくろうと、今年1月からサロンの場を設けた。自然体で居られるようにと、サロンに「素ing(スイング)」と名付けた。口コミでサロンを知った人が、事前に電話をして訪問している。これまでの相談件数は延べ100件を超え、会員以外が多い。まず話を聞き専門機関を紹介したり、認知症の症状や接し方、着替えや食事の介助など具体的なアドバイスを送る。時には友人たちと演奏も行い、音楽で心を和ませることもしている。相談を聞く中で、介護の悩みが深刻化していることも感じる。親の介護のため仕事を辞めざるをえなかったり、1人で介護を担い精神的に追い込まれる人など、様々なケースが増えている。大機さんは「認知症の家族とどう接していいかわからず不安で押しつぶされそうになりますが、話を聞いてもらうだけでイライラが解消することもあります。自分の失敗談や介助方法を提案し、少しでも気持ちが楽になって帰ってもらえるようにしたい」と話している。サロンの問い合わせは大機さん(電話75・5068)。

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ