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今年5月に開設の西方寺「大庄屋上野家」 府下で初、グッドデザイン賞受賞【舞鶴】

今年5月に開設の西方寺「大庄屋上野家」 府下で初、グッドデザイン賞受賞【舞鶴】

投稿日時:2005年10月14日(金)

江戸時代のたたずまいを残して保存・再生された上野家

 今年五月に開設した舞鶴市西方寺の「大庄屋上野家」が、財団法人・日本産業デザイン振興会主催の2005年度環境デザイン部門で、グッドデザイン賞(Gマーク)を受賞した。茅葺きの母屋や長大な塀など、江戸時代後期に建築された屋敷のたたずまいを当初の姿で保存しただけでなく、農業体験などに活用できる建物として再生したことが評価された。同部門での受賞は府下では初めてとなった。養蚕と農業を営む豪農だった上野家は、江戸時代に田辺藩から由良川周辺の14カ村の庄屋を束ねる大庄屋に任命され、代々の当主が彌一郎と名乗って明治初期まで大庄屋を務めた。その住宅は茅葺きの母屋を中心に、納屋、数棟の土蔵、書院庭園などがあり、当時の屋敷全体がそのまま伝えられていた。所有者から土地と建物の寄贈を受けた市が、加佐地区の拠点施設として整備。デザインを担当した「松ケ崎古建築研究調査会」と「有限会社金沢設計」に、屋敷全体を保存再生するとともに、囲炉裏やカマドなどを復元して使用できるようになどの要望をし、それを受けて伝統的な工法で当初の姿に戻し、地場産品の販売や展示スペース、田舎料理の提供などの新たな機能を加えて再生した。総事業費は約1億5500万円。グッドデザイン賞は1957年に通商産業賞が設立した総合的なデザイン評価制度で、同振興会が98年から継承している。受賞した建物や商品にはGマークが使用できる。今回は環境デザイン部門で全国26件が受賞。上野家に対し審査員らが「古建築を実際の社会の中で有用な建物として再生した」と評価した。受賞対象者は市とデザインを担当した2者。

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