人材不足解消に先鞭を
投稿日時:2018年01月19日(金)
市の有効求人倍率は、正社員の求人において1.26倍(平成29年10月)と、人材不足の傾向が強くなっている。そんな中、厚労省の発表によると、新規学卒就職者の3年以内離職率は、大卒で32.2%、高卒で40.8%であった。(平成26年3月卒業者が対象) 全国的に広がる「雇用のミスマッチ」。当地での人材不足の解消に向け、市の取り組みに迫った。
昨年末、市主催で「保護者のための就活勉強会」が開かれ、今年就職活動を迎える子を持つ市内在住の保護者11人が参加した。市企業立地・雇用促進課の奥本護さん(53)は、「情報過多な学生と、自身の経験による先入観が先行する保護者との間にギャップがある」と指摘する。勉強会では、就職情報事業で大きなシェアを誇るマイナビの担当者が講師を務め、現在の学生を取り巻く就職環境についての説明が繰り広げられた。ネットを媒介として世の中には情報が溢れているが、一方で就職先の意思決定には、他の選択肢を圧倒して「父母の助言や意見を聞いた」が全体の62.8%という興味深いデータが示された。空前の売り手市場となり、就職活動をする側には良い環境であることには間違いない。しかしながら、新卒3年以内離職率は、高い数値で推移している。これには、様々な要因が影響していると考えられるが、確実に言えることは「雇用のミスマッチ」の帰結であるということだ。
【市の通勤圏に128社】
市の調べによると、現在府北部にある従業員100人以上の規模を持つ事業所の数は、128社となっている。また、これに近隣の福井県内を加えると、152社となる。これらの企業の多くは、旺盛な採用活動を展開しており、「地方には仕事がない」と先入観が先行しているが、現実は逆となっている。また、参加の保護者らには、都市部での就職と地方での就職を比べた場合、地方での就職は可処分所得が大幅に増え、実に月間でおよそ9万円多く自由に使える金額があるとのデータが示された。保護者を対象にした就活セミナーは、都市部で多く開催されているが、地方ではまだ少ないという。今回、参加者は少なく、小さな一歩だと言わざるを得ない。しかし、熱心に聞き入る保護者たちの姿に、当地における今後の人材不足解消に向けての大きな可能性を見た。
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