京極マリアの遺徳を伝え、その生き方から学ぼう 僧侶や住民らNPO法人「京極マリア祈りの里」設立へ【舞鶴】
投稿日時:2010年06月08日(火)
近江の大名・浅井長政の姉で、丹後藩主・京極高知の母である京極マリアが、晩年を過ごした舞鶴市泉源寺地区で、僧侶や住民たちが「泉源寺さま」と親しまれたマリアの遺徳を伝え、その生き方から学ぼうと、NPO法人「京極マリア祈りの里」を設立する。祈りの生活を過ごした庵の此御(こみ)堂を復元しコミュニティーの場としての活用のほか、マリア像の建立、キャラクターの制作などに取り組みたいとしている。戦国時代に生まれた京極マリアは、京極家の当主に嫁ぎ、安土城下で洗礼を受けキリシタンとなった。若狭藩主を務めた息子の高次が亡くなった後、泉源寺にあった此御堂に移り、1618年に没した。マリアを慕って村人たちは位牌を作り此御堂にまつって守ってきた。また、同じ地区にある龍興院(りゅうこういん)の過去帳には「泉源寺殿」と記録されている。1977年には此御堂は解体されたが、没後380年の98年、位牌が移された近くの智性(院(ちしょういん)で、カトリック教会と合同による法要とミサを行った。2018年の没後400年を控え、キリシタン弾圧の中で信仰を貫いたマリアの生き方を子供たちに伝えていこうと、地元の人たちの協力を得てNPOを立ち上げることにし、このほど府の認可を得た。智性院の近くに資料館やコミュニティースペースを兼ねた此御堂の再建、マリアのキャラクターをつくってその生涯の紹介、浅井氏とゆかりのある長浜市との交流、地域の活性化に役立つ活動などを計画している。理事長に就任予定の増田憲嶺(けんりょう)住職(47)は「人間にとって一番大切なものを見つめ続けた生き様はこの時代、宗教を越えて人として学ぶことが多い。人とのつながりの回復に向けた活動になれば」と話している。
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