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交流育む 芸術の秋

交流育む 芸術の秋

投稿日時:2020年10月02日(金)

 漫画やイラスト、絵手紙や俳句を専門とした3作家による「3人展~秋、そうだ、森へ行こう!~」が、9月12日から上安のゆっくり茶房・森のとけいで開かれている。笑いを誘うユニークなイラストをはじめ季節の移ろいを感じる作品を楽しめるのは、10月18日まで。無料。

 新型コロナウイルスの影響でこの数か月、予定していたイベントを延期するなどしてきた同店。“前向きで明るい気持ちになれるような作品展を”と企画された久しぶりの開催には、岡田陽子さん(71)による俳句、大機博芳さん(71)の漫画やイラスト、越後正行さん(66)の絵手紙など、三者三様で生き生きとした作品が並ぶ。本格的に始めた18歳から数えても、半世紀以上にわたり俳句を詠み続けている岡田さん。四季折々、日常の中にある自然や生きものと心を通わせ生まれた俳句。岡田さんは、「敷居が高そうと敬遠されがちな俳句。共感していただき興味を持っていただければ嬉しいです」と話す。ユニークなイラストや似顔絵を描いたのは大機さん。数年前、たまたま目にした外国の1コマ漫画に強い影響を受けたことが始まりだった。「たったの一コマしかない漫画なのに面白くて。こんなのが描けたら楽しいだろうなって思いました。見てくれた人が思わずプッと笑ってくれると嬉しくなります」と笑顔をこぼす。コミカルに描かれた漫画や常識の枠にとらわれない愉快で自由なイラストが、独特の世界観をつくり出している。やわらかい色使いで絵手紙の魅力を伝えるのは越後さん。ふらっと参加した公民館講座がきっかけだった。「やさしい色づかいですねって言われたのが嬉しくて。以来すっかり絵手紙にハマってしまいましたよ」とはにかむ。笑い文字や朗読、最近ではオカリナも始めたという多趣味な越後さんは、「見た人が思わずほっこり笑顔になってくれれば嬉しいです」と話した。

【縁が生み出す 新たな交流】

 越後さんは、来場者に感謝の気持ちを込めて「ありがとう」の笑顔文字はがきを手渡している。この日、親子で訪れた川﨑敦美さん(33)と澪さん(7)もまた、ほかのイベントで「ありがとう」ハガキを受け取った二人だ。「この間のイベントでもらったかわいいハガキが嬉しくて、また見にきました」と敦美さん。絵を描くのが大好きだという澪さんは、様々な雰囲気の作品を前に、目を輝かせていた。縁が新たな交流を生むのも、こうした作品展の魅力だ。ある程度の決まりが求められる俳句、自由な発想でペンを走らせるイラスト、思いのままに描く絵手紙。まさに三者三様の「3人展」だが一方で、どれも当たり前の日常の中で感じて見つけているという共通点がある。3人は「作品を見て、気軽に声をかけていただければ嬉しいです」と来場を呼びかけている。気取らない作家との気さくな交流を通じた芸術の秋に、新たな趣味が見つかるかもしれない。18日までの毎週土・日曜日(午前10時~午後5時)ゆっくり茶房「森のとけい」で。入場無料。
[お問い合わせ]TEL:0773・76・1153、同店。

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