事故撲滅へ地道な一歩~取締り強化と意識の向上
投稿日時:2020年01月14日(火)
昨年末と新年早々に計2回、舞鶴署は「ゾーン30」での交通違反取締りを実施した。その際に用いられたのは、「可搬式速度違反自動監視装置」と呼ばれる最新機器。現在京都府警に2台あるこの装置により、これまでは難しかった生活道路での速度違反取締りが実現した。
「ゾーン30」とは、生活道路における歩行者等の安全な通行を確保することを目的として、区域(ゾーン)を定めて最高速度30km/hの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせ、ゾーン内における速度抑制や、ゾーン内を抜け道として通行する行為の抑制等を図る生活道路対策。市内では現在、引土地区、余内地区、朝来地区に3カ所が整備されており、京都府内では90カ所に上る。府下では、2012年に亀岡市で集団登校中の児童と保護者の列に軽自動車が激突する事故が発生。この事故は全国的にも大きく報道され、生活道路で歩行者の安全をいかに守るかという問題が議論される契機にもなった。こうした背景を踏まえ、2016年から全国の警察へ同装置の導入が開始。京都府警には昨年導入が完了した。装置は簡易的な設置が可能で、速度違反車両を記録し、後日運転者を呼び出すというもの。舞鶴署交通課長の末松和彦警部は、「生活道路における取締りは、地域住民の方々よりかねてから要望をいただいていた。取締りにより運転者の意識が向上し、事故防止につながることを期待している」と話した。同署では、「ゾーン30」に限らず様々な場所で、同装置を活用した取締りを展開するとしている。
【看板設置で事故防止】
一方、民間でも事故防止のための運動が継続的に展開されている。市内各地で目にすることの多い啓発看板「幼児の散歩道」。看板は横幅60cmのものと、120cmの2種類が計200枚超作られ、市内のみならず福知山市や宮津市にも設置されている。
看板を作成・設置しているのは、昨年5月に大津市で発生した事故を契機として発足した「安全な散歩道を守る会」。事故発生に心を痛めた稲岡博さん(70)=余部下=が、手づくりのコマを被害に遭った園児の通う保育園に寄贈。それをきっかけとして、「もっと何かできないものか」と友人の川嶋正洋さん(71)=行永=に相談して看板作成へと発展した。共に孫を持つ二人。幼い命が奪われた事故は人ごとに思えなかったという。園児らが事故に遭った保育園も訪れ、看板を渡した。その際に目にした子どもたちの姿が目に焼き付き、「子どもたちの笑顔を奪うことはあってはならない」と決意を強めた。「看板ひとつで何が変わるかは分からないが、小さな抑止力であっても大きな意味がある」と川嶋さん。「看板の設置場所が増えるにしたがって、賛同の声を聞くことが多くなった」と手ごたえを語る稲岡さん。現在まで活動への協賛金を募ってはいるが、目標金額には程遠いという。「子どもは地域の宝。痛ましい事故がこの街で起こらないよう、自分たちに出来ることを地道にやっていきたい」と二人は決意を新たにしていた。同会では引き続き協賛を募っている。
[お問い合わせ]
安全な散歩道を守る会(浜624・舞鶴実業会事業協同組合内)TEL:0773・62・0217
【協賛金振込先】京都北都信用金庫・東舞鶴中央支店(普)0607916:安全な散歩道を守る会
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