丹後とり貝、これまでになく大きく育つ 昨年の台風の影響で出荷個数は半減【舞鶴】
投稿日時:2005年06月21日(火)
舞鶴とり貝組合(川崎芳彦代表、11人)は、舞鶴湾で養殖する丹後とり貝の出荷準備を進めている。昨年に府北部を襲った台風の影響で、貝を収めるコンテナから砂が流出し多くの稚貝が死に、出荷個数は前年の約半分の3万5000個を見込んでいる。一個一個はこれまでにない大きな貝に育ち、甘味も期待できる。6月23日から出荷が始まる。丹後とり貝の養殖は2000年からスタート。府立海洋センターで生産した稚貝を購入し、戸島沖などで筏から水深5メートルの位置に吊るした砂入りのコンテナの中で育てる。1台の筏に120個のコンテナを吊るす。コンテナについたフジツボなどを取り除く手入れをし、1年後には出荷できる。養殖技術が確立されているのは京都府だけ。舞鶴湾はエサとなるプランクトンが豊富で育成には適しており、これまでのとり貝に比べて大きく、五倍の重さがある。大きくなればなるほど甘味があり、高級品として定着している。昨年は過去最高の6万3000個を出荷、生産額は約3000万円だった。11人の漁業者が30台の筏で養殖している。昨年夏から秋にかけてのいつくかの台風で、波でコンテナが揺れ砂が流出し稚貝が死んだり、筏の足場の板が飛ぶ被害があった。出荷に向けて5月から組合員たちがサイズの選別作業をし、大きなものは10センチを超えるものもある。今年は丹後とり貝を品種改良した「京とり貝」も出荷する。府魚連舞鶴市場を通して、東京や京阪神などに出荷される。川崎会長(51)は「台風の被害で出荷数は少ないが、生き残った貝はこれまでになく大きいものができ味もいい」と話していた。同組合は20万個、生産額1億円を目標とし、府でも新規の漁業者に技術支援などに務める。
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