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世界史の授業の工夫と教材の研究に評価 西高から初、足立教諭に文科大臣優秀教員に【舞鶴】

世界史の授業の工夫と教材の研究に評価 西高から初、足立教諭に文科大臣優秀教員に【舞鶴】

投稿日時:2009年02月27日(金)

落語部顧問として鍛えた話芸を活かし、扇子を手に教壇に立つ足立教諭

 平成20年度の文部科学大臣優秀教員がこのほど発表され、西舞鶴高校の足立尚志(たかし)教諭(45)=福知山市=が、世界史の授業の工夫の学習指導で評価され、西高から初めて受賞した。わかりやすい授業を目指し、当時の歴史背景を知ってもらうためイメージで伝えるなど研究を重ねてきた。世界30カ国を訪ねた体験とそこで得たグッズや、落語部顧問として鍛えた話芸も授業に活かしている。  講師時代、先輩教諭たちから教師は授業で勝負すべきと教わり、他の教師の授業を見たり教材の研究に没頭した。「理解することが楽しさにつながる」と、小学生が教室にいてもわかるような授業を目標に工夫を凝らす。  英国の産業革命時代に登場する「産業資本家」は、「工場の経営者」とかみ砕いて説明。中身を理解した上で覚えてもらおうと、歴史背景を折り込みながら「イメージ世界史」と呼ぶ方法で伝える。1814~15年のウィーン会議は、「昔を求める王様と自由を求める国民のつなひき」と解説する。  30カ国で文化や宗教に触れた体験を話し、東西ドイツを隔てていたベルリンの壁のかけらなど、現地で得た物も活用し歴史を身近に感じさせている。平成19年には韓国の国際交流財団が日本の教師20人を招き、その1人としてソウル大学で研修を受けた。  前任の加悦谷高と平成7年から勤務の西高で、落語部の創設に関わった。生の高座を見て学び、自らも文化祭などで演じる。「観客を引きつける点は落語と教師も同じ」と、落語から間のとり方などを学んだ。大学入試で戦える力をと傾向と対策の分析にも余念はない。勝者の歴史の陰に、多くの名もない人がいたことも忘れず教える。  足立さんは「歴史は古いものではなく、今を知るために学ぶのだと伝えています。助言を送ってくれた先輩と、一生懸命授業を聴くことで私を育ててくれた生徒たちに感謝しています。世界と日本の架け橋になる人材が、教え子の中から出てくれるのが夢です」と話す。2月28日の卒業式、担任してきた3年生たちを送りだす。

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