ブラック企業 実態迫る 舞鶴出身映画監督 土屋トカチさん製作 「自分の働き方、常に疑問を」 自殺社員の遺族や当事者に取材【舞鶴】
投稿日時:2013年10月11日(金)
舞鶴市出身の映画監督、土屋トカチさん(42)=横浜市=が、法律を無視して過酷な労働を強いる企業の実態を描いた映像作品「ブラック企業にご用心!―就活・転職の落とし穴―」を製作した。企業の実名を上げ、自殺やうつ病に追い込まれたケースなど、遺族や当事者が出演して証言している。「自分の働き方に常に疑問を持ち考えて」と訴える。
東舞鶴高校出身の土屋さんは大学卒業後、日雇い派遣などを経験し、1999年から映像製作を開始。暴力で労働組合脱退を強要する会社に対し、労働条件改善をめぐって闘うトラック運転手の姿を追ったドキュメンタリー映画「フツーの仕事がしたい」を08年発表し、ドバイ国際映画祭で最優秀賞を受けた。
違法な労働条件で働かせるブラック企業が最近問題視されているが、大手メディアではあまり取り上げられないため、NPO法人アジア太平洋資料センターが学校の授業でわかりやすく紹介しようと製作を依頼され、企画した。ブラック企業大賞にノミネートされた4つの企業を扱った。
飲食チェーン店で26歳の自殺した女性社員の遺族の父親に取材したのをはじめ、残業が月200時間を超える民間気象予報会社での過労自殺、コンビニ店で「名ばかり管理職」として働かされうつ病になり、裁判を起こした男性などから話を聞き、過酷な労働実態に迫った。また、ブラック企業をわかりやすくドラマ仕立てで紹介したり、労働問題の専門家が解説もする。
土屋さんは「取り上げた企業は若い人を育てることをせず、使い捨てのようにしている。大企業だってブラック企業になりうる。理不尽さを自分1人で抱えず友人や専門家に相談してほしい」と話している。
各地で上映会が広がっている。作品はDVDで35分。問い合わせはアジア太平洋資料センター(電話03・5209・3455)。
写真左=土屋トカチさん
写真右=ドラマ仕立てでブラック企業を紹介する1シーン(土屋さん提供)
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