フリーライターの守田さん 東北の放射能汚染 報告 被曝対策で支援を 現状 国民に伝わらず【舞鶴】
投稿日時:2012年06月29日(金)
東電福島第1原発事故後の福島で取材をするフリーライターの守田敏也さん=京都市=の講演会「震災がれき問題と内部被曝」が6月23日、南田辺の西総合会館で開かれた。舞鶴社会保障推進協議会主催。約100人を前に、守田さんは放射線量が高い福島の現状、事故後は東北・関東のごみ焼却施設で通常ごみの灰から高い放射性物質が検出されていることを報告した。 福島市内の学校に親が子供を迎えに来る車で渋滞している映像を見せ、いま学校ではマスクをしている子が3割、していない子、車で送り迎えをしてもらっている子、転校した子と対応が分かれていると紹介した。 放射線の専門家が「1番いけないのは放射線を怖がりすぎること。それが子供に心的ストレスを与える」と話したことで、子供の身を守ろうとする親が、「あなたの子がマスクをするからうちの子が怖がる」と非難されるなどし、さらに同じ家族の中でも対立が起き人間関係が壊れている現状を指摘。 学校の通学路のそばでも毎時5マイクロシーベルトなど、高い放射線量の地点が多数見つかっているが、福島ではニュースにもならず国民にも知らされていないとする。 「チェルノブイリ事故の場合だと、こうした汚染レベルの地域は国が責任を持って避難させる避難権利区域に入り、日本では100万人を超える人が住んでいる」とし、「福島の人たちは見捨てられていると感じている。がれきのことを言う前に、このひどい被曝を何とかすることが東北への支援になる」と訴えた。 次に環境省がHPで発表している各地のごみ焼却施設の灰に含まれる放射性物質濃度を説明。事故後、一般ごみから岩手県一関市では1キロあたり3万ベクレル、茨城県日立では1万2千ベクレルなど東北、関東では軒並み高くなっているとし、京都市でも前年の0.2から26ベクレルと100倍に跳ね上がっており、放射性物質の拡散の現状を示した。 守田さんは「焼却施設そのものが汚染され、放射性物質を封じ込める機能はない。放射線を検査するにしても灰を混ぜてから測定し、60万秒連続して測らないと実測値が出ないと京都大学原子炉実験所の小出さんは指摘している。土壌の測定も煙突の高さの10倍の距離ですべき」と話した。
写真=守田さんの話を熱心に聞く市民たち
-
-
2022年10月07日
小浜線開業100周年
100人超えで大掃除・ 老若男女が汗流す
-
-
2022年09月30日
倉谷の大泉寺
お地蔵さま“水浴び”
年に一度のリフレッシュ
-
-
2022年09月09日
秋到来 黄金のひと時
南野陽子さんら舞鶴の里山を満喫
室牛地区の水田で
市民ら稲刈り作業で親睦深める