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バングラデシュでの養鶏プロジェクトの任務終え帰国 JICA派遣の獣医師・橋本さん(森) 【舞鶴のニュース】

バングラデシュでの養鶏プロジェクトの任務終え帰国 JICA派遣の獣医師・橋本さん(森) 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2002年11月22日(金)

 森の獣医師、橋本久典さん(45)が国際協力事業団(JICA)の派遣で、バングラデシュで採卵用の鶏の生産プロジェクトの任務を終え、このほど帰国した。2000年にバングラに渡って、現地の農家と日本の専門家との調整の仕事にあたっていた。小規模農家が細々と庭先で鶏を飼っていたが、タンパク源の補給と副収入の増加につなげる基礎づくりに努めた。
 橋本さんは1996年から1年3カ月間、JICAの派遣でアフリカ・ザンビア大学で血液病理学を講義しており、こうした海外経験が買われてバングラへ派遣されて、業務調整員として滞在した。
 バングラは日本の5分の1の面積にほぼ同じ人口を持つ農業国で、1人当たりの農地が狭い上に零細農家が多い。動物性タンパク質の摂取量は世界の半分と栄養不良が目立ち、栄養と貧困の改善が課題となっている。そこでバングラ政府とJICAが、小規模農家を対象に鶏の生産を普及させる「家禽(かきん)管理技術改良計画」を1997年から実施した。
 これまで農家の養鶏は、エサのやり方もまちまちで卵の生産も少なかった。JICAでは現地の畜産試験場で専門家に飼育技術指導するほか、4カ所の農村でモデル農家を選び、養鶏技術や鶏舎建設、衛生管理などを教え、女性の雇用の機会も作った。あるモデル農家では女性が月収3000円~8000円の副収入が得られ、子供を学校に通わせることができるようになった。
 橋本さんは当初はいつ飛行機が飛ぶか分からなくても「しょうがない」という国民気質に戸惑ったが、後半はペースをつかんで現地の人たちとの仲間意識もでき、気楽に仕事ができたという。「ここでは怒らないことを学んだ。バングラで仕事ができれば世界のどこででもできると言われ、自信がついた」と話している。バングラ政府は来年から普及プロジェクトに取り組む。

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