テントサウナで町おこし
新たなコンテンツの創出模索
愛好家呼び込み飛躍めざす
投稿日時:2022年03月11日(金)
北吸の旧北吸浄水場第1配水池周辺で3月2日、テントサウナを試験的に設置し、今後の観光振興への活用を模索する取り組みがあった。
テントサウナとは、近年急速に愛好家を増やしつつある屋外用サウナ。薪ストーブで熱したテント内で汗を流した後、川や湖に飛び込んだりして楽しむというものだ。現在は、テレビドラマの影響もあり、空前のサウナブームが訪れている。愛好家が使用する用語「ととのう」が、2021年の「新語・流行語大賞」にノミネートされるなど広がりを見せており、ブームはまだ終わりそうにない。
今回の取組みを呼びかけたのは、溝尻の多世代交流施設「まなびあむ」内で、宿泊施設を運営する株式会社MIYACOの中馬一登社長(34)。「舞鶴は観光客の宿泊が少なく、経済効果が広がりにくい」ことを課題と感じている中馬社長は、宿泊してもらうにはコンテンツが必要と考える中で、テントサウナの設置に思い至ったという。
自身もサウナ愛好家である中馬社長が仲間に呼びかけると、話はとんとん拍子に進んだ。テントサウナ2基は、京丹後市でサウナによる事業展開を視野に入れて活動している足立樹律 さん(29)が持ち込むことになった。
この日は、自衛隊艦船などが眼下に広がる絶景にテントを設置。簡易の水風呂と椅子も置き、特設のサウナ空間が出来上がった。
縁を頼りに集まった愛好家は、およそ15人。中には東京都や長野県から訪れた人もいるなど、サウナの集客力を示す陣容となった。
参加した人たちは思い思いにサウナを楽しみ、また舞鶴の風景に見入っていた。
今は峰山で地域おこし協力隊にも所属しているという足立さんは、「世の中はサウナブーム。地方とサウナは相性がいい。このロケーションは本当に素晴らしい。日本全国を見ても他にはない立地で唯一無二だと思う」と話し、「北京都が連携したサウナツーリズムの可能性を追求したい」と意欲を見せた。
中馬社長は「サウナ愛好家の行動力はすごい」と話し、「舞鶴をただの通過点で終わらせることなく、しっかりとお金を落としてもらうには、京都府北部を回遊してもらうコンテンツを持つことが重要。今回の取組みで、改めてここでの成功図を確信できた」と力を込めた。
「舞鶴赤れんがパーク」令和の大改修で、当地の観光振興がどう盛り上がっていくか。そのキーポイントになるのは、ソフト面の充実に他ならない。関わる人たちの熱量に、今後も期待していきたい。
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