コンテンツツーリズムの可能性
投稿日時:2016年07月26日(火)
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北吸の赤れんがパークで7月17日、舞鶴鎮守府実行委員会とSDFの共催による全国的に大人気のブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(通称:-艦これ)の同人誌即売会イベント「砲雷撃戦!よーい!」が開かれ、全国から約8000人のファンが舞鶴を訪れた。同ゲームは角川ゲームスが開発し2013年4月にブラウザ版のサービスを開始。第二次世界大戦時の大日本帝国海軍の軍艦を中心とした艦艇を女性キャラクターに擬人化した「艦娘(かんむす)」をゲーム中で集め、強化しながら敵と戦闘し勝利を目指すという内容で2016年現在で登録数は約400万人にのぼる。海軍の歴史や史実を基にしており、ゲーム内では舞鶴鎮守府や舞鶴で起工された駆逐艦「島風」、「吹雪」などが登場する。2014年、「コンテンツ」を活用した観光やビジネスを提唱する同実行委員会は「艦これ」に着目し同イベントを企画。しかし大きな壁が立ちふさがる。著作権の関わる同カテゴリ―のイベントは企業によって対応が異なり、グレーな部分とされている二次創作を扱ったイベント。同委員会は著作権元であるKADOKAWAと対話することで同ゲームのPR、舞鶴のファンを増やすことにつながるとして非営利でのまちおこし事業として最低限のルールを守ることで理解を得た。同2月に開催された第1回イベントは大雪のなか、2000人以上の観光客を呼び、サブカルチャーの有効性、コンテンツツーリズムの手ごたえをつかんだ。「舞鶴をアニメの街にしたいわけではない」企画を担当する同実行委員会の松井功さん(63)は語る。「アニメも映画も大河ドラマもそしてサブカルチャーも全てが街を動かす可能性を持つコンテンツです。ただコンテンツには人気や寿命がある。艦これの勢いもいずれ衰えます。旬のコンテンツを活用していかにビジネスや観光につなげるかが大事」とその目はすでに次の展開を見据えていた。同実行委員会は情報発信の手法にも力を入れている。同イベントではチラシは100枚、ポスターにいたっては10枚ほどしか作らない。無駄にコストのかかる紙媒体は必要なく、主な情報発信はツイッターなどのSNSを活用しネット上での口コミを狙う。ファンの心理を読み切ったピンポイントな投稿によりファンの「広めたい」という心理を上手く活用する戦略だ。情報発信を担当する同実行委員会の田口良雄さん(60)は「情報発信は日々進化している。手あたり次第に情報を撒けばいいというものではなく、今回で言えば艦これファンにあたるアーリーアダプターにいかに情報を届けられるかにかかっている」いわゆる「オタク」というカテゴリ―に属する人を対象にしたイベント。中には「気持ち悪い」という理由で観光客として認めない人もいるという。一見奇抜な観光事業。様々なコンテンツを活用することで、一人の観光客としてもてなし、趣味を応援してくれる街として全国に認知される日も遠くはなさそうだ。
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