オオミズナギドリ調査結果発表−深まる謎 雛の減少ネズミが原因?
投稿日時:2016年09月02日(金)
8月22日、舞鶴海上訓練指導隊講堂で、第2次国指定天然記念物「オオミズナギドリ繁殖地」冠島管理調査の結果が発表された。同調査は天然記念物の管理状況の確認を目的とし、定期調査として市が年2回実施している。8月19日から21日までの3日間行われ日本鳥類学会員、学生など合わせて20人が参加した。今回の報告では、夜間と早朝に行われる標識調査の結果、調査区画内において足環が付いていない鳥が122羽、付いている鳥が484羽となり、ほとんどの鳥が戻って来ている事が分かった。また、1990年〜92年頃に足環を付けた固体が複数確認された。帰鳥状況では、夕方冠島をまわる鳥の数、島に帰ってきた鳥が調査区画の巣にいるかどうかの区画目撃、朝の飛び立ちを調査した結果、島をまわる鳥に比べ、帰ってきた鳥が少ない事が分かった。日本鳥類学会会長の須川恒さん(69)は「今回は非常に少ない印象でした。何故数が増減するのか、例えば今回満月だったので、満月の時に少ないとかそういった法則があるのかどうか、もっと長期的にデータを蓄積していく必要がある」と語る。また、今回巣内調査を行い、下水管調査に使用するCCDカメラを巣内に潜入、雛の数を数えた。これまで、8月に確認された雛が9月に消えるという事は無かった。それが2010年〜12年辺りから雛が消えている事が確認された。7月の環境省の調査で3つの調査区画内にある184の巣を調査、確認された抱卵数58に対し、今回確実に確認できた雛は29羽であり、雛にかえったのは半分という結果になった。これまで、調査中にドブネズミが目撃されていることから、ドブネズミの可能性が高い。今回3日間に渡り、2種類のネズミトラップを設置したが、雛が食べられた形跡は見つかったものの、トラップには引っかからなかった。帰鳥の謎や雛減少の謎とまだまだ長期的な調査が必要とされる。
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