やり甲斐で日々は輝く
シルバー人材センター・事故ゼロ目指し安全標語
「70超えたら同級生」支えあう仲間とともに社会の力に
投稿日時:2022年07月15日(金)
世界有数の長寿大国であるわが国では、人口減少・少子高齢化が進展し、誰もが生涯現役で活躍できる社会の実現がますます求められている。人生100年時代と叫ばれて久しい昨今、定年後などの過ごし方で、その後の人生が大きく左右されると言っても過言ではない。そんな中、市シルバー人材には「経験を社会の力に」と力を尽くす人たちが集まっている。
全国で約70万人の会員数を誇るシルバー人材センターでは、原則60歳以上・健康で働く意欲のある人が入会し、それぞれの得意分野を生かすなどして活躍している。舞鶴市シルバー人材センターの会員数は7月1日現在で721人(男性453・女性268)。会員らは剪定作業や除草作業、家事援助や屋内清掃をはじめポスティングなど、依頼のある多種多様な仕事をこなしていく。
中でも飛び石等の賠償事故が起こりやすい機械刈除草は「事故ゼロ」を掲げ、様々な工夫をしながら懸命に取り組んでいる。
市シルバー人材センターの安全・適正就業対策委員会(橋角正巳委員長)では例年、「目指そう 事故ゼロ」をテーマに安全標語を募集している。4月いっぱい募った結果、集まった標語は60点。その中から選出された上位3人に対して7月6日、同事務所で表彰式が行われた。
これから1年間事務所に掲示される“特選標語”に選ばれたのは浜田一さん(79)の「焦るな急ぐな手を抜くな 基本動作で事故は『ゼロ』」。2位に足立博さん(74)「支え合い 備えあれば 事故はゼロ」3位に吉田一央さん(80)「まあいいか その判断が 事故のもと」と続く。安全を意識した日頃の活動に鼓舞激励するとともに感謝の言葉を送った橋角会長は、入賞した3人にそれぞれ表彰状を手渡した。
今回以前にも特選に輝いた過去を持つ浜田さんのシルバー活動歴は13年。学校も就職先も退職日も同じだという橋角会長とは「シルバーでまた一緒になった」といい抜群のコンビプレーで活動することも少なくない。一方、大勢で手分けして進める作業に関しても二人は、「やり遂げた時の達成感が何とも言えない」と目を輝かせながら力を込める。
「何事も事前の準備が大切」とし安全を心がける浜田さんは、日々の気づきの中で、リズムよく覚えやすい標語を考えるのが好きだと笑う。
「これまで応募をしたが全然だめだった」とこぼす足立さんは、今回初めて2位に。今年からより実践的な活動をする中で閃いた標語に「やっぱり机上で考えた作品では全然だめだと思い知った」と振り返りながら入賞を喜んだ。
除草作業にあたる吉田さんは「『あの時こうだった、危なかった』ではどの時か分からない」といい「気づいた時にその場で注意する」ことで、みんなで気を付けようと声を掛け合い、事故のない作業を心がけていると話す。また鬱蒼と生い茂った雑草がきれいになくなるのも気持ちが良いが「キレイになりましたね」などと道行く市民に声をかけられた時が何よりの喜びだと目を細めた。
会員らはそれぞれ自身が嬉しかったことを口々に話したが「市民からの声かけ」が大きな励みであり、生きがいになっていると口を揃える。また「70歳超えたらみんなもう同級生」と笑い飛ばすと「この標語を胸に、事故のない作業を心がけて、元気に仕事をしなくては」と意気込みを見せた。
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