もしもに備える学習会
七日市町内会・自主防災の意識を常に
市内最多の700世帯
マンモス自治会の「転ばぬ先の杖」
投稿日時:2022年12月16日(金)
いつ、どこで起こっても不思議ではない自然災害。地球温暖化がもたらした気候変動が、私たちの暮らしに牙をむくようになって久しい。「災害に強いまちづくり」のソフト面強化が各地で取り組まれる中、市内屈指の規模を持つ七日市町内会で防災研修が行われた。
西舞鶴の七日市町内会の世帯数は約700と、市内最多を誇る。近年になって道路拡張などの再開発が進み、10数年で飛躍的な人口増加が進んでいる。
そんな中、同町内会では自主防災を早くから重要視。いざという時に「自分たちのまちは自分たちで守る」という意識づけを常日頃から行っているといい、町内会組織の中に「自主防災部」を設置している。
11月6日には、七日市公会堂で防災学習会を実施した。学習会には、市西消防署・中筋消防団七日市班・手話サークルつたの会を講師に招き、より実践的な内容を企画。約20人の住民が参加した。
学習会の冒頭には、上羽道夫町内会長があいさつ。市のハザードマップからは「西地区の広い範囲で洪水被害に見舞われる危険性がある」と指摘し、「私たちは万一の時に備えて防災知識を持ち、いざという時に迷いなく正しい選択をして、自分や家族、地域の人たちの命を守ることができるよう学ぶことが大切です」と積極的な学習を呼びかけた。
この日行われた「避難所体験」で参加者たちは、段ボール箱を使った簡易ベッドをはじめ、筒形段ボールでプライバシーを守る個室スペースづくりなどに取り組んだ。
学習会の中で「雑魚寝状態だった阪神淡路大震災の時には、プライバシーへの配慮は全く行き届いていなかった」という話とともに「様々な経験を通して技術も進化し、ウクライナの戦地でも日本の技術が生きている」と紹介があると、参加者らが感嘆の声を漏らす一幕も。
またこの日は、被災時の「障害を持つ人との関わり方」についても学習。コロナ禍でのマスク着用によって、口元から話の内容を読み取ることが困難になっている聴覚障害者との接し方について学んだり、実際に目隠しをして視覚障害者の状況を体験したりと、参加者たちは盛りだくさんの内容に取り組んだ。
参加者からは、「消火器の使い方、心肺蘇生法、AEDの使い方、起震車体験などの防災訓練はこれまでに経験したが、そうした内容とは違う観点で災害について楽しく学ぶよい機会となりました」といった感想が聞かれる中、上羽会長は「災害時の正しい行動選択、さらに避難所体験、障害を持つ人たちの状況を理解し、ともに助け合いながら災害から人を守るという万一に備えた心構えができたのではないでしょうか」と話し、充実感を漂わせていた。(2022.12.13発行)
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