最新の記事

  

つなぐ 先人の誇り~西町自治会 芸屋台収蔵庫完成

つなぐ 先人の誇り~西町自治会 芸屋台収蔵庫完成

投稿日時:2019年03月26日(火)

 西町自治会(櫻井誠一会長)が所有する芸屋台と太鼓櫓の収蔵庫が完成し竣工式が17日、玉岡稲荷神社境内の収蔵庫前で行われた。多々見良三市長や自治会関係者、地域住民など約40人が出席し、地元が誇る歴史遺産を守る収蔵庫の完成を祝った。

 「芸屋台」は江戸時代に屋台芸として行われていた子ども歌舞伎用の舞台。田辺城下の氏神である朝代神社の祭礼で奉納され、舞台の上で子どもが歌舞伎を演じながら練り歩いたという。10自治体(魚屋、紺屋、寺内、新町、竹屋、丹波、西町、堀上、本町、舞引土)が所有し、先人らが大切に保存してきた。西町自治体の芸屋台は6年前に復元され、舞鶴公園横の芸屋台展示棟に展示されていたが、地元市民らから収蔵庫建設の声が高まり、府や市の補助金、寄付金などを活用し昨年9月に着工し12月に完成。10日に展示棟から同収蔵庫へ運ぶ作業が行われた。収蔵庫は木造平屋建てで30㎡、アクリル板の扉で、外から内部が見える構造。今後、クルーズ客船の寄港などに合わせて外国人観光客にも公開し、西地区のにぎわいにつなげるという。西町自治会の収蔵庫完成により、芸屋台を保存している10自治体のうち、7自治体が復元され、かつ収蔵庫を持つことになった。 一方、紺屋、本町、舞引土の3自治体は解体された状態で保存している。竣工式では、朝代神社の宮司がおはらいをした後、出席者が玉串を奉納した。櫻井会長は「少子高齢化で、長い間先人たちが守り続けてきた伝統行事の継承も徐々に困難さが増してきた。そんな中、府や市の補助金の恩恵により収蔵庫が完成した。ご尽力頂いた皆さまに感謝いたします。今後、芸屋台を活用し各種行事やイベントに参加していきたい」と感謝の言葉を述べた。続いて多々見市長が「この施設が城下町文化を継承する拠点として、また本市の歴史文化の魅力を発信する施設としてその役割を存分に発揮するものとして期待しています」と話した。最後は、西町子供会による語り部3人が、「舞鶴今昔物語」から3席を披露。出席者たちは、舞鶴の歴史や風土を伝える講談に耳を傾けていた。
(井上 務)

この記事をシェア!
Management BY
舞鶴市民新聞
当サイトは舞鶴市民新聞社が運営しています
ページトップへ